ほら貝のRC住宅改修
住宅リノベーション, 名古屋市, 2016
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| WORKs 仕事 | 19.12.15
『住宅建築』誌の、アンダー40の地域で活躍する建築家特集に、地域性について最近考えていたことを整理し寄稿したものです。ちょっと抽象的な話に終始してしまったのは反省ですが、建築家が地域の個性を育てるとはどういうことなのか、自己参照や再帰構造による特性の増幅、という現象を適用して考えてみました。地域の個性を醸成する一つの方法は、ある程度限られた地理範囲の中での相互参照による、特性の発見とその特性を補強する(そしてある程度抑制的な)介入行為の蓄積ではないかと思っています。
| ARTICLEs 小論 | 19.12.11
著書「住経験インタビューのすすめ」(西山夘三記念すまい・まちづくり文庫)が出版されました。
この数年取り組んできた、住経験(住まいとそこでの生活にまつわる経験)にアプローチする試み、「親への住経験インタビュー」のひとまずの成果です。みなさん本当にいろいろな家に住んでいる。住経験を通して見えてくること、そこからの学び、可能性など、イントロダクションとしてギュギュギュッと圧縮してまとめました。学生や設計者・施工者・研究者・家づくりを考えている人、住まいに興味ある方みんなに手にとってもらいたい内容です。よろしければ是非ご高覧ください。
| NEWs 最新情報 | 19.11.01
なかなか最近の活動がこちらで書けていませんが、Facebookの方では、ちょくちょく書いています。アカウントをお持ちの方はよろしければご覧になってください(面識の無い方で友達リクエストいただく場合はメッセージも合わせてお願いします)。
大学研究室としての活動も、こちらで随時アップされています。
>> 柳沢研究室|京都大学居住空間学講座
>> 京都大学柳沢研究室@Facebook
| MEMO 雑記・ブログ | 19.04.01
名古屋←→京都を拠点に建築の設計・研究・企画を行なう「究建築研究室」のウェブサイトです。
ここには、お知らせや建築設計の仕事や構想のほかに、各種論考、日誌、都市・建築研究などのアウトプットを蓄積していく予定です。
お問い合わせはこちらへ。
| ABOUT 概要 | 17.04.02
みなさま
日頃よりたいへんお世話になっております。
このたびご縁を頂きまして、2017年4月1日より
京都大学(大学院工学研究科建築学系)に准教授として着任いたしました。
名城大学在任中は公私にわたり一方ならぬご厚情を賜り
誠にありがとうございました。
しばらくは名古屋の自宅と名城大学、京都とを行き来しております。
今後も設計実践と研究の両立・融合をひきつづき目指すとともに、
大学が果たすべき、また大学においてこそ可能な社会的役割を担えるよう、
地域とフィールドに密着した建築の設計・研究・教育に励みたいと思います。
今後とも一層のご指導ご鞭撻をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
本来でしたら直接ご報告に伺うべきところを
とり急ぎこのような形でお伝えすることをお詫び申し上げます。
2017年4月1日
柳沢 究
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新しい連絡先は下記の通りです。
京都方面にお越しの際はお気軽にお声掛けください。
〒615-8540 京都市西京区京都大学桂 C1-4-281
京都大学大学院工学研究科建築学専攻・居住空間学講座
TEL: 075-383-3277
※これまでのメールアドレスも通じます
しばらくはひきつづき名古屋です。
| NEWs 最新情報 | 17.04.01
2月4日、京都工繊大での研究会「文化遺産におけるオーセンティシティauthenticityとインテグリティintegrityの本質を考える」に参加する。主催者自身もまだ答えが見つかってない問題を扱うという、研究会らしい研究会で楽しかった。以下、あまり整理できてないけどメモとして記載します。
当日の議論は、世界文化遺産の登録の現場における評価基準としての実務的な有用性が主に軸になっていて、それはあまり本質的ではないのではと思ったが、稲葉伸子さんの、各国や現場の実態・工夫を包括し対象の価値を担保する概念があれば、それをオーセンティシティと呼ぼうがインテグリティと呼ぼうがどっちでもよいという話(意訳)や、清水重敦さんの変化する宇治の文化的景観のインテグリティをどう考えるかという話は、とても勉強になった。(インフィル・ビルディングの話も)
自身の関心としては、歴史的な街並みの中で新しい何かを作るときの、アリバイ的な不誠実な対応や、悪意のないしかし不適切な取り組みにどう対処するか、あるいは非文化財的建築のリノベーションでの、何でもありやったもん勝ち的状況をどう交通整理できるか、という問題意識があった。2つの問題は同じレベルではないけど、どちらもオーセンティシティとインテグリティにからんだ問題であると思う。
今回の研究会とは別の話だが、西洋絵画の修復の世界では、オーセンティシティはもちろん極めて繊細に取り扱われるんだけれど、たとえば絵画の一部が大きく欠損したような場合、材料や手法のオーセンティシティは多少失われてでも、作品の美的価値・鑑賞価値(作品としてのインテグリティ)を回復するために(判別可能かつ可逆的な方法でもって)補完的に筆を加えることが許される、という考え方があるという。これは文化財的建築物の補修での考え方も基本的に同じだと思う。欠損部材の新材による補完とそこへの古色の施与は、インテグリティを保つために行うのである。
上記の例に鑑みると、オーセンティシティとインテグリティは多分に重なる概念だ(というのは今日の研究会でよくわかった)けれど、両者はやはり重心というか軸足の位置が異なるのだと思う。どちらも「あるものが、まごうことなきそれ自身であること」をいうのだけど、個人的な理解では、オーセンティシティは時間的な連続性の正統さに、インテグリティは物的状態としての連続性に重心があるのだと思う。建築であっても、京都会館など文化財クラスのものはオーセンティシティで議論したらよいが、そうではないわりと普通建築や街並みを考える時、オーセンティシティを持ち出すと話が硬直化するので、インテグリティという考え方をうまく補助線にできないかなと思う。
とはいえ、研究会で何度も言及されていた「奈良ドキュメント以降のオーセンティシティ概念の拡張」にしたがえば、これはどっちもオーセンティシティに包含されるんだという。この拡張概念が共有されていないことが、分野をまたいだ時の話をややこしくしてるという強い印象を受けました。
| MEMO 雑記・ブログ | 17.02.05
ARTICLEs小論に、「古色とエイジング」をアップしました。
一般財団法人・建築保全センターが発行する機関誌『Re』の、「アンチエイジング」という特集へ寄稿したものです。2004年に『コンフォルト』で書かせてもらった「古色:『古材色の再現』から『新しい表現』へ」以来の、12年ぶりの古色に関するテキストです。執筆にあたって久しぶりに先行研究を探し直しましたが、その後あまり研究は増えていない様子…。今回は、木材の表情の経年変化の実態をおさえた上で、古色の概念整理をしました。
| NEWs 最新情報 | 16.04.15
一般財団法人・建築保全センターが発行する機関誌『Re』の、「アンチエイジング」という特集へ寄稿したものです。2004年に『コンフォルト』で書かせてもらった「古色:『古材色の再現』から『新しい表現』へ」以来の、12年ぶりの古色に関するテキストです。執筆にあたって久しぶりに先行研究を探し直しましたが、その後あまり研究は増えていない様子…。今回は、木材の表情の経年変化の実態をおさえた上で、古色の概念整理をしました。
| ARTICLEs 小論 | 16.04.14
1日、名城にて竹原義二さんをお招きした特別講義を開催しました。会場の制作室はほぼ満員盛況、1・2年生の参加も多く、はるばる大阪からIFAの皆さんも。
第1部は、今回の企画を数ヶ月前から準備していた学生グループによる「竹原建築解題」として、1985年から2015年まで30年間の作品から5題を発表。作品そのものだけでなく、時代背景や同時代の建築作品との比較をし、空間については雑誌に発表された図面と写真をもとに50分の1の模型を作りながら読み込んだもの。担当した学生はかなり図面と空間を把握する力が鍛えられたのではないかと思う。101番目の家の模型は複雑すぎてついに未完成でしたが、それもまたよしでした。
第2部は竹原氏の講演。「無有」を造るときはサシで何時間も話を聞いたけど、講演会は初めて。古今東西の建築をみる目の話から近作について、また映画やマンガの話まで縦横融通に展開して、あちこちから問いかけや示唆が投げられるも答えは俄かには示されず、やや困惑しつつも不思議といい気分であるという感覚は、101番目の家の空間体験に通じるものがありました。歴史的空間を見る目と作品の関係の話は「無有」(学芸出版社、2007)
にも詳しい記述があります。
第3部は会場で懇親会。酒を片手に模型と竹原さんを囲んで。ふだん講演会などの懇親会があっても、もじもじして話しかけない学生もよく話す。講師の人柄もあるでしょうが、作品に思い切り向き合ったという自負があるからでしょう。第4部は居酒屋で、摂南大から駆けつけた学生も交えて終電ギリギリまでわいわい。
竹原さん、長時間にわたってまことにありがとうございました。
他の大学では建築家講演会がよくあるのに、名城では全然ない(いろいろな制度上の理由があるのですが)、という声にこたえて、今年度後期からMS-26という大学事業と同窓会の支援を受けて、3回の特別講義を企画しました(第1回青木茂氏、第2回西田司氏、第3回竹原義二氏)。とはいえ、せっかくいい講師に来てもらっても、一方的に話を聞く+質問パラパラではつまらない。滋賀県立大のダンワシツ等を参考に、講師ごとに2年生からM1までの5〜6人の学生企画グループをつくり、作品の予習・見学・勉強会、講師との事前打合せも学生が行い、さらに当日は作品研究を本人を前に発表するというプログラムに。
結果として、参加した学生はよくやったし、貴重かつ有意義な経験となったと思う。青木氏・西田氏の企画の準備段階はあまり見てないので分かりませんが、僕がフォローした竹原氏の企画では、大げさでなく、関わった学生たちの今後の人生にいくばくか影響を与えるものがあったと思います。その点では成功。やってよかった。
ただ、こうして書いてみるとちょっとお膳立てしすぎの気もします。財政的に大学が援助したり要所を教員がフォローするのはよいけど、本当は学生が全部自主的にやったらよいなあと思う。たいへんだろうけど、年1回でいいから。あと、建築家(でなくても誰でもいいけど)に口実をつくって会いに行く、その作品を訪問し図面や写真を徹底的に読み込む、それを元に話をする。やろうと思えば一人でできることでもあります。
Tags: 名城 | MEMO 雑記・ブログ | 16.03.05
ARTICLEs小論に、「建築・都市空間における時間の蓄積」をアップしました。
NPO法人西山夘三記念すまい・まちづくり文庫(西山文庫)が発行するるニュースレターの中の「マイスタディ 若手研究者は いま」というコーナーへ寄稿した、現在の設計・研究のテーマについての自己紹介的な内容です。
他の文章と重複する部分もありますが、「建築や都市空間における時間の蓄積」の意義として、①空間の意味の豊かさ、②重奏性(重層性)の創出、③地域性の土壌、という3点に整理し記述できた点が、自分としてはよかったと思っています。
| NEWs 最新情報 | 15.12.22
NPO法人西山夘三記念すまい・まちづくり文庫(西山文庫)が発行するニュースレターの中の「マイスタディ 若手研究者は いま」というコーナーへ寄稿したものです。現在の設計・研究のテーマについての自己紹介的な内容です。他の文章と重複する部分もありますが、「建築や都市空間における時間の蓄積」の意義として、①空間の意味の豊かさ、②重奏性(重層性)の創出、③地域性の土壌、という3点に整理し記述できた点が、自分としてはよかったと思っています。
| ARTICLEs 小論 | 15.12.20
(写真は京都市文化観光資源保護財団「京の茶室」より)
研究室の先輩でもある京都の建築家・岩崎さんの弧篷庵忘筌についてのブログを見て思い出したこと。
上の写真にも写っている、忘筌の有名な明かり障子から見える軒先の庭にある「三国灯籠」は、傘が朝鮮・火袋が中国・竿が天竺、と三つの国に由来するパーツを組み合わせたものと言われています。数年前の特別公開で訪れた際、竿の頂部が丸まっているのに気付き、ははあ、インド伝来というのが本当なら、これはシヴァ・リンガの転用に違いないと思いました。その後いくつか解説を読んでも、そのことには触れたものは見たことがありませんが、桃山時代ならポルトガル人やオランダ人が、ゴアやアンコールあたりからそれを運んで来たなんてことは、すごくありえそうなことです。
ちなみにリンガ(リンガム)とは↑のようなもの(写真出典)。多くは石でできた、男性器を象ったシヴァ神のシンボルであり神体です。台座部分はヨーニと呼ばれる女性器を象ったもので、樋のような突起部が北を向くように据えられます(だからインドではリンガを見ると方位が分かる)。リンガは単にヨニの上に載っているのではなく、リンガがヨーニを貫いている状態を表しています。リンガの持ち主はもちろんシヴァ神です。ヨーニを貫通したリンガが見えているということは、つまり我々のいるこの寺院(ひいては世界)はヨーニの内側=胎内にあることになります。そのヨーニの持ち主(この宇宙?)とシヴァ神がいままさに交わっている、という宇宙の姿をリンガは示しているのです。
・・・といったことを話題にしながら、忘筌でお茶会が催されていたと想像するのも楽しいものです。
Tags: インド | MEMO 雑記・ブログ | 15.10.01
究建築研究室と名城大学柳沢研究室による有松での町家の維持・活用の取り組みを、2015年7月31日(金)付の中日新聞(夕刊)に紹介していただきました。一面にカラーで掲載されているのは3月に完成した「有松の塀」です。有松のある立派な町家を、大学が継続的に借りて活用しながら維持していける仕組みをつくろうと模索しています。
町家保存 学生の手で
住民の負担 教育活用でカバー / 名古屋の商家を名城大生再生名城大の学生たちが建てた塀を納得の表情で眺める服部安輝枝さん=名古屋市緑区有松で(中尾吟撮影)
歴史的価値が高い古民家や商家を大学などが教育目的に活用し、維持管理に乗り出す取り組みが広がりを見せている。背景には、改修が必要な建物であっても莫大(ばくだい)な費用を個人で負担するのが難しかったり、住民の高齢化などで空き家になってしまったりする邸宅が増えている事情がある。(社会部・中尾吟)
名古屋市緑区有松の旧東海道沿い。絞り染めの「有松絞」で発展した豪壮な商家が軒を連ねる町並みに、石積みの土台に古い質感を持たせた木で組んだ塀がある。
塀を建てたのは、名城大(名古屋市天白区)建築学科の柳沢究(きわむ)准教授の研究室の学生たち。空き家となっている明治時代創建の愛知県指定文化財の町家の一角でもともとはトタン張りのガレージがあった。隣に立つ町家本体の景観を損ねていると感じた所有者の依頼を受け、景観に合った新しい塀を建てることにした。
学生たちは、庭から掘り起こされた礎石などを活用して土台を造り、周囲の人家の塀と似た板組みの塀を設計。愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)にある「サツキとメイの家」を手掛けた大工中村武司さんの指導を受け今年3月、20人以上で作業して仕上げた。
今後は壁面や屋根に傷みがある町家本体の改修を検討しており、秋には町家を会場としたイベントを市などと連携して開く考え。町家を所有する服部安輝枝さん(47)は「改修には億単位の費用がかかり、個人で負担するのは難しかった。今回の塀の建設で、歴史ある町並みを守る一歩が踏み出せたことは大きく、世界一の塀だと思う」と喜ぶ。
町家などの伝統建築の維持管理は全国的な問題だ。歴史的町並みを持つ全国の90市町村でつくる「全国伝統的建造物群保存地区協議会」(伝建協)は、伝統建築の住民が高齢のため死去したり、持ち主が分からなくなったりして空き家が増えているのを重要課題とし、担当者は「毎年の総会で、各地から深刻な状況が報告される」と話す。
そうした現状の打破に一役買おうと、町家が多く残る京都を中心に近年、町家の改修など維持管理に関わる大学が現れている。龍谷大(京都市伏見区)は2013年5月から、江戸時代の町家を学生の会議などで使えるキャンパスとして活用。京都建築専門学校(京都市上京区)も、授業の一環として町家の改修を行っている。
伝統建築を生かした観光スポット「黒壁スクエア」がある滋賀県長浜市でも、地元の長浜バイオ大が12年4月から町家を「町家キャンパス」として借り受け、学生が開く科学教室の会場などに活用している。
柳沢准教授は「個人の負担だけで文化財を維持管理していくのは難しい時代。大学や行政、企業などが連携して守り、人々に町並みの魅力に気付いてもらえる取り組みを進めていくことが必要だ」と話す。(2015年7月31日・中日新聞(CHUNICHI Web)より転載)
| NEWs 最新情報 | 15.08.16
昨年夏に実測を行い、研究室で設計案を検討してきた「あじまの家改修プロジェクト」。ついに1/30模型が出来上がってきました。
いよいよ来週、解体工事に着手です。
Tags: あじま | MEMO 雑記・ブログ | 14.05.22
この2週間は年度末行事がたくさんありました。まずは、卒業設計終盤時の制作室と、卒業研究発表会(設計の審査はまた別日程)の様子を、3年生岡田君がレポートしてくれてます。(↑)体に悪そうな寝方をしてるのは山本君。
Tags: 名城大学 | MEMO 雑記・ブログ | 14.03.01
連載:インドの都市から考える(柳沢究)
第1回:巡還と囲繞の都市構造
第2回:ヒンドゥー教における住まいの象徴性
第3回:伝統的な中庭式住居での生活
第4回:水辺の建築空間 ガート
第5回:動物のいる都市空間
第6回:街と融け合う寺院
今年(2012年)4月より名古屋に移り住み、この連載を担当させていただくことになった。筆者は建築計画・設計を専門とするが、10年以上にわたってインドに通い都市空間の調査を続けている。学生時代のアジア放浪旅行の最中にふと立ち寄った、ヴァーラナシーという都市の成り立ちに素朴な関心を抱いたのが出発点であった。以来現在に至るまで、その都市の発する不思議な魅力に導かれながら、南インドまで手を広げつつ研究を続けてきた。根っこにあるのは、複雑な都市や建築の形がどのような要因と過程を経て形成されてきたか、という興味である。研究の着地点はいまだ模糊としているが、インドの都市を見つめる中で、都市や建築を考える上でのさまざまな示唆を得てきた。この連載でその一端を紹介できればと思う。まずは筆者がフィールドとしている2つの都市、その概要とヒンドゥー教のコスモロジーと結びついた都市構造について紹介したい。
Tags: インド インドの都市から考える | ARTICLEs 小論 | 13.11.08
実に久しぶりの更新。facebookに慣れてしまうと、こっちの投稿が億劫になってしまうけれど、風化しないうちに7月の大阪行きの件をアップしておきます。
実験集合住宅NEXT21が公開されていたので、せっかくなので研究室の学生達に行くか?と尋ねたら結構な参加希望者がいたので、7月9日、総勢10名にて名古屋から大阪の弾丸ツアーを決行。幹事は米澤君。
朝9時集合で名神をかっとばし始めに西淡路高射砲陣地跡住居へ。
一帯がスクオッティングの名残を残しつつ再開発が進んでいる様子。マンションに囲まれた周囲とのコントラストの方が強く、高射砲台跡自体が浮いてしまい、さらにそこに加えられた増築部が安っぽく見える。ステージ状の上部構造と下部構造をつなぐ場当たり的増築による空間は面白そう。
中之島の公会堂はほんの少しかすめて、昼食をかっこみNEXT21へ走る。
じっくり2時間の見学ツアー。建設後20年を経て育った立体的な植栽と路地空間の構成がすばらしくて、逆にスケルトン&インフィルというコンセプトがかすみそう。スケルトン状態の住戸(?)も見せて頂けたのはよかった。建設された実験住戸には大阪ガスの社員が住んで、設定通り(例えば料理教室を開く等)の生活を送るのだという。竹原義二さんの住戸も見学。
その後急いで、個人的には今回の大阪行きのハイライトである、木村松本建築設計事務所による「K」へ。設計者の木村さんに直々にご案内いただく。
時間が少なく申し訳ないというか残念な、もっとゆっくりしたい、街に曝されているような守られているような、これまでに味わったことのない空間だった。第一印象で、新築なのに改修物件のように感じたのが不思議だったけれど、白すぎず濃からず、無彩色の淡いトーンでまとめた色彩と、同じく微妙な表情の素材の選び方や、意図の明快すぎない寸法のとり方、街との距離のとり方が、時間を経た空間にも似た深みを感じさせたのかなと感じた。
学生たちも「建築ってここまで深く考えるんですね」などと後で神妙なコメントをしていた。良い刺激をもらったと思う。木村さん、本当にありがとうございました。
名残惜しく「K」を後にして大急ぎで、営業時間終了間際の木材仲買会館へ。木材を扱う業者の建築として、木を使いたおすデザイン。このような施設にもかかわらず建具を木製にするための法規対応などが興味深かった。学生たちもとても興奮していた様子。当日のアポ(失礼しました)にも関わらず、こころよくご対応いただき感謝です。
最後に、阿倍野の旧村野・森建築事務所を外から眺めて、近所の居酒屋で軽く打ち上げ、その後名古屋へ。ドライバーはお疲れ様でした。
| MEMO 雑記・ブログ | 13.08.22 | (0)
年度末の大学関連行事をまとめて。
2月下旬、名城大学の卒業設計審査会。今年の卒業設計は21人とやや少なめ。例年計画系の教員のみで学生には非公開で行なっていたが、今年は公開とし、また構造や環境・材料の教員方にも有志で審査に参加いただいた。来年は新校舎にも移るし、展示や審査方法も含め、少しずつ盛り上げて行きたい。
3月17日、名古屋市立大学で催されていた卒業設計展「dipcolle2013」最終日に少しだけ顔を出す。名古屋の学生が中心だが、出展は関西や東京方面からもあり幅広い。質疑や議論はあまり咬み合ってないように感じたが、裏(?)で並行するtwitterの方では結構議論が盛り上がっていたようで不思議な二層構造。藤村さんの講評は冷たいようで愛があった。審査員賞の杉本君をはじめ柳沢研の皆も、論文と設計の両方をやりとげ、よく頑張った。結果はそれぞれだけど、ここで考えたことは今後10年の活動の一つの芯になるはず。
19日、卒業式。柳沢研8名が卒業。進路は就職3名、名城大学院へ3名、他大学院へ2名。発足一年目で手探りの研究室を盛り上げ、柳沢をぐいぐい引っ張ってくれた元気な4年生でした。今後共よろしく。荷物の積み上がった引越し直前の研究室にて。
21日・22日と新しくできた校舎への研究室の引越し作業。新校舎では今まで一緒だった教員と学生の部屋が分離した。学生研究室のレイアウトは学生にまかせる。建築学科の学生ならではの、使いやすく面白い研究室をつくって下さい。
柳沢の部屋には仕事がはかどりそうな大きなワークデスクを導入。納品に来てくれたマエダ木工・前田君と近所の喫茶店であれこれ話す。
22日作業後は荒畑のもつ鍋屋さんにて追いコン。新3年生も参加して総勢28人の大宴会(写真は後日)。僕は1時過ぎに切り上げたが、学生たちは朝までやっていたよう。
翌23日は名城大学建築学科65周年/同窓会50周年記念企画へ。
13時〜18時という長丁場であったが、名城建築OBの方々の実に多彩な活動のお話しを伺うことができた。すごい層の厚みである。是非学生たちにこそ聞いて欲しい話であったが、年度末という時期もあり学生の参加が多くなかったのが残念。みな二日酔いで眠くてもフットワークよく動くように。動くと必ずリアクションがあるよ。
高崎正治さんはとても魅力的な方であった。学生との接し方、教員として彼らに何ができるのか、この一年もやもやしていたものが少し晴れる。懇親会では他にも葛川かおるさん、 CAnの佐々木司さん、板坂諭さん、大前貴裕さんらと。みなそれぞれの視点で現代的問題に取り組んでいる。いつかご一緒できる機会が楽しみ。
山田高志さんからは、氏の恩師であった故・志水正弘先生について少しお話を伺い興味を掻き立てられる。名城大学で数寄屋建築の設計を手掛けつつ、学生たちを毎年インド研修旅行へ連れて行き、退職後はなんとインドに移住して向こうの学校で教えていたという。研究室OBの方に話を聞くと、これでもかという程様々なエピソードが出てくる強烈に魅力的な先生であったよう。著作や作品など今後調べてみたい。
Tags: 名城大学 | MEMO 雑記・ブログ | 13.03.26 | (0)
研究室の学生たち10人程が連れ立って東北へ旅だった。
主目的は仙台の日本一決定戦のようだが、あわせて青森から福島まで東北を縦断するらしい。9日の晩には仙台で宮城大竹内研と滋賀県大布野研そして名城柳沢研の交流宴会が開かれる。今年の夏は彼らとジョイントした東北での取り組みも始まることになりそう。僕も現地視察を兼ねて仙台へ行きたいところだったけど、予定があわず残念。
さて8日、インドの受託研究の打合せで東京へ。提案の方向性にやや大きめの変更があり、次年度中に実際にモデルハウスを作ってみるという話にも展開する。企業はさすがに判断と動きが速いが、それに対応するためには4月からの研究室体制も考えないといけない。
打合せ終了後、Tさんと一緒に『HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITION』を見に行く。
総合ディレクターは原研哉、錚々たる建築家たちがLIXILやHonda・住友林業・無印・蔦屋などの企業と組んで、実際に建設されたパヴィリオンをもって次世代の住宅像を示す展示であった。「住宅」や「美意識」こそが今後の日本の重要な産業資源となる、という原研哉の主張は著書でうんうん頷きながら読んでいたが、早速それを具体化する取り組みとして行われたよう。
伊東×LIXILはほとんど既製品を使いながら土間のある生活像を描く。内容は実に真っ当だけれど、むしろその朴訥さに驚く。
藤本×Hondaは一番コンセプチュアル。移動手段と生活・空間の関係が今ひとつイメージしきれなかった。
地域社会圏は提案としては最も過激で応援したいものだが、建築のデザインが提案をやや分かりにくいものにしている気がする。
杉本×住林は伝統と現代、二つの数寄屋の展示。これをコンセプトモデルとして見てしまうともったいない。こういうところで実際に生活もできる(している人がいる)、ということが重要なのだと思う。
坂茂×無印はおなじみの家具の家。日常生活に浸透した無印のアイテム群が、非日常的な空間に「家」としてのリアリティを担保しておりバランスがよい。
成瀬・猪熊×TOTO・YKKapは内側に毛深い緑化トイレ。公衆トイレとしてあったら楽しい。日本のトイレ愛好文化の厚みを感じさせる。
東京R不動産×蔦屋は最も現代的なマンション・リノベーション。提案された空間もよいがその隣にある価格付きの建材展示がすごい迫力。業者にまかせてカタログで選ぶだけじゃない、自分で探して自分で作れるんだぞ、と。
提案された家には見慣れたものもあり、また好き嫌いもあるだが、それでも建築業界に限らない多くの人がこの展示を見てくれるといいなあ、というのが全体を見終わった後の感想であった。こういった建築家が提案する新しい住宅/生活像は、雑誌などではよく目にするものの、実空間として体験できる機会は滅多にない。これを見て、こんな生活や住まいも「あり」かもしれない、と思う人が増えたとすれば、それはとてもよいことである。
以下余談であるが、住まいや生活の豊かさにとって大切なのは、「こうあるべき」という理想の提示だけではなく、「こうあってもよい」という選択の多様性あるいは許容の寛容さであると思う。そして一人の人間が多様なるものを許容・享受することができるとしたら、その素地となるのは体験の豊かさであろう。人間が未知のものを恐れ慣れ知ったものを好む非常に強い性向を持つことは、おそらく否定できない。それを基に価値観や流行、文化というものは社会的に形作られている。その意味で、建築や空間・生活に関する体験の質と多寡は、将来のその人の住まいのあり方を根本的に規定するはずなのである。
偉そうに要すれば、「よい住まい」を実現する一つの有効な方法は、幅広い「よい」の尺度を持つことで、それはいろんな「よさ」を味わうことでこそ獲得されるだろう、ということだ。このことは食事や音楽に置き換えて考えると、おおむね首肯してもらえると思う。ただ、食事や音楽に比べて住まいの体験を増やすのは簡単ではない。いろんな人の家に遊びに行く、引越しをたくさんする、というのが身近なものだろう。こういった展示を見たり企画に参加するのもよい。旅をするのはもっと効果的だ。図面や写真から擬似的体験を組み立てるトレーニングもある。このあたりは今後深めて行きたいテーマである。
しかし(こちらのアンテナが弱いせいかもしれないが)これだけ豪華な企業とメンバーが集まっているわりに、このイベントの存在をこの日東京に来るまでまったく知らなかった。また立地や入場料の設定もちょっと敷居が高い。いろいろあるんだろうけど、もう少し間口を広くしてもよかったんじゃないかと思う。
その後、新橋のホルモン屋にて6人ほどで懇親会。「新橋のサラリーマンがたむろして呑んだくれてるガード下の店」という無茶なリクエストにばっちり応えてくれた。陽気もよく花粉で目がやや辛いものの楽しく過ごす。名古屋に帰るのはあきらめ終電まで飲んで横浜の実家に宿泊、翌朝一で名古屋に帰る。
| MEMO 雑記・ブログ | 13.03.10 | (0)
名古屋と大学に移ってからのこの一年バタバタと過ごし、ずいぶん久々のブログに。
4月からはもう少し大学のことも書いて行きたいと思っています。
まずはリハビリのつもりで、このあいだの1月末に行ってきた久々のインドについて。
今回は企業との共同研究ということで、調査の中身についてはあまり書けないのだけど、グルガオン Gurgaon というデリーの衛星都市を中心に10日間ほど滞在してきた。2007年夏以来なので実に5年半ぶりの訪印。
深夜0時頃、デリーはインディラ・ガンディー空港に到着。2010年に開催されたコモンウェルス・ゲームにあわせて新しく整備され非常に快適。深夜のせいもあるかもしれないが、空港を出ると群をなしていたタクシーの客引きもほとんどいなく、落ち着いたもの。現地でこの後さんざんお世話になったYさんの迎えを受けグルガオンに。空港はデリーとグルガオンの中間にあるので車で30分ほど。
滞在したホテル。無線LANもあり快適。朝食ビュッフェには味噌汁があった。日本人ビジネスマンの利用が多いためらしい。ロビーではハングルもよく聞こえたが、中国人は見かけない。欧米系はかなり多い。グルガオンには外資系企業のインド本社が多く置かれており、近年急速に拡大・成長している都市だ。人口は多く商業施設やビルも数多いが、街全体が「作りかけ」という雰囲気で、熟成しきったヴァーラーナシーとは対照的。牛もほとんど見かけない。
翌朝、共同研究先のオフィスにて、キックオフ・ミーティング。
10層ほど上に浮かぶ大胆なトップライト。ガラスではなくポリカのような薄い板であった。エントランス・ドア。ディテールがなさすぎて潔い。インドでは総じて石やタイルの扱いは手馴れているが、ガラスや木・金属部の扱いにはアラが目立つ。無理にガラスや金属を多用したミニマルなディテールを目指さなくてよいのにと思う。
昼食。ファミレスのようなインド料理店。
グルガオンの建材マーケットを見学。インドでは割りとよく見る風景。業者だけでなく、一般家庭の人もこういったマーケットに、普通に電球やスイッチプレートを買いに来るという。ホームセンターも近年登場しているらしいが、まだ身近ではないよう。
デリーから延びるメトロ。乗りたかったが、共和国記念日(1/26)直前のためテロ予告が出ており、乗ってはいけないとのことで残念。全体として、インフラの整備度合いは5年前とは桁違いだが、停電はまだ頻繁に起こる。電力供給が追いついていない。
サブジ(野菜)売り。珍しく長ネギも売っていた。カリフラワーの惣菜カレー、ゴービー・マサラは最も好きな料理の一つ。
グルガオンの周縁部を車で走り、周囲に何もない荒野に巨大な集合住宅がどんどん建設されている様子を見て回る。すごい数量である。
その後Yさんの自宅へ訪問し、調査の作業少々。
夜はホテル近くのカニが美味しいと評判のレストランへ。最近は南インドの魚介系料理が流行っているとか。メンバーの中に辛い料理がダメなO君がいたので(何ということだ)、レス・スパイスでと頼んだためか、ガーリックがふんだんに使われた中華に近い味だった。しかし身も厚く濃厚美味。皆夢中でむさぼり初日終了。
Tags: インド | MEMO 雑記・ブログ | 13.03.04 | (0)
先日発売された『建築ジャーナル』2012年6月号において、「地域の話題・中部:名城大学に着任した柳沢究さん」として柳沢のインタビューが掲載されています。
名古屋にやってきた経緯(?)や現在取り組みたいと思っているテーマ、興味のある中部圏の建築、といった自己紹介的な内容です。
興味のある中部圏の建築としてあげたものの中のいくつか、南山大学と愛知県立芸術大学には先日早速行って来ました。豊田講堂にも。素晴らしかったです。
近いうちに研究室のサイトが立ち上がり写真が掲載されるはず・・・
| NEWs 最新情報 | 12.06.10
これは5月の半ばの晴天のころ。
昨年から話をもらいつつも手を付けられていなかった新プロジェクトに、大学研究室との共同プロジェクトとして着手しました。
テーマは、国産の杉材を活用した都市型住宅のモデルを計画するという、非常に今日的な問題意識ながら非常にざっくりとしたもの。
背景の大本にあるのはもちろん、なかなか立ち行かない林業経営の問題、国産材需要の拡大といった問題なのだけど、実際にとりくむにあたっては、都市部においていかに大量の木(もく)を使う住宅がつくれるか、居住空間において木という素材はどういう意味をもつか、という問題として読み替えることになりそう。キーになるのはたぶん間伐材であり、時間である。
今回のプロジェクトの具体的な敷地は、琵琶湖の西(いわゆる湖西)にある滋賀県高島市。あまり知られてないが杉の産地(そういう土地が日本にはたぶんすごくたくさんある。地元の人しかしらない)。
というわけで、研究室の学生たちとともに高島市森林組合の製材所の見学に行く(僕は二回目)。
間伐材の山。このように伐り出されて並んでいるのはごく一部で、大半は山の中にうっちゃってあるという。間伐材は安値なので、運搬費の方が高くついてしまうからだ。かつては燃料としてはもちろん足場や柵・杭などいろいろな使い道があって、商品として成り立っていた間伐材も、今やほとんど使い道がない。間伐材の需要低下は林業衰退の大きな原因といわれる。。割り箸も間伐材利用の一つなので、一概に悪者にしてはいけないのである(ただ現在の割り箸の大半は中国からの輸入品だというのがなんとも・・)
製材所内にあった建物。ログハウスのような、小径間伐材を積層した外壁の表情が面白い。
製材所の隣は朽木陣屋跡という史跡になっていて、一角に茅葺きの見事な民家がある。庇はやや朽ちかけていてこれまた見事な草屋根になりつつある。
朽木というと映画「雨月物語」の朽木屋敷を思い出すのだが、ちょっと調べてみたらあの映画の主要な舞台として設定されているのは、現在の高島市の大溝という城下だそうな。そういえばあれは琵琶湖畔の物語であった。
今回のプロジェクトの敷地となる場所も見学。現況はまさに原っぱ。気持ちのよい場所。函館山という関西ではスキー場として有名な山の麓にあるので、通称「函館山プロジェクト」と呼ぶ。
このような土地に「都市を対象したコンセプト住宅」を建てるという。うーん・・・。
近所にあった牧場で近江牛ランチ。学生たちが牛を見て興奮していた。
だがやはりホルスタインよりはインドの瘤牛の方が・・・。花は桜木、牛はゼブである。
Tags: 名城大学 | MEMO 雑記・ブログ | 12.06.06 | (2)
究建築研究室@名古屋からの初更新です。
おいおい大学研究室のウェブサイトもたちあげて、大学関連はそちらで報告するつもりですが、それまではここのブログを使います。
さて3月末にドタバタと引越しをして、4月1日で辞令をもらい、5年ぶりの大学教員生活が本格的にスタート。少しずつ様子を見ながら始動するつもりでいたら、研究室の配属学生数はいきなり18人(3年生10名、4年生8名)と吃驚。にぎやかなスタートとなった。
研究室での最初の仕事は全員総出でのレイアウト替えと大掃除。
30年以上在籍された前任の先生による完成度の高いレイアウトがすでにあったのだけど、学生たちから「教員の占めるスペースが大きすぎる」との声が上がり(研究室は教員・学生共用)、大幅にレイアウトを変更することに。結果、僕のスペースは当初の1/3くらいになったけど(笑)、ゼミ生全員が打合せできる大きなスペースができあがる。
その後は、講義準備・設計演習・ゼミなどに追われ、土日は京都や枚方のプロジェクト打合せなどが入り、ゴールデンウィークでようやく一息ついた。
現在はリズムもだんだん掴めてきて、そろそろ名古屋まち建築めぐりなんかを始めようというところです。
Tags: 名城大学 | MEMO 雑記・ブログ | 12.05.15 | (2)
3/2(水)
京都GD邸にて使う(かもしれない)古建具を物色に、クライアント夫妻と井川建具道具店へ。「和知」や「たかはし」をやってた頃以来なので、約10年ぶり。にもかかわらず京都新聞の記事などを見て覚えていてくださりやや感激。
雪見障子や舞良戸、襖などを見てあれこれ検討。襖の出来の良し悪しがなんとなく見えてきた。
玄関にあうサイズの建具がなかなか無いなあ。
御池烏丸近くのカフェで打合せをした後、解散。
帰りに唐長の11代目ギャラリー、伊右衛門カフェによる。銅のカウンターがかっこいいじゃないか。
3/4(金)
GD邸の検討の一環で、ふたたびクライアント夫妻とともに西陣の唐紙「かみ添」さんを訪問。約一年ぶり。嘉戸さんを囲み紙のこと染めのこと、版木のこと、いろいろ丁寧に教えていただく。GD邸で試してみたいアイディアも出る。
嘉戸さん曰く「やったことが無いし、どう変化するかわからないけど、すごいよくなると思いますよ!」。最も試してみたくなるシチュエーションですね。是非やりましょう。
打合せに同行しているチビ2号は、子供をあやすのが上手なかみ添の奥様にずっと抱っこされて、おおむね静かにしていた。ありがとうございました。
下の写真は、上の写真の襖に使われたトルコ製の版木。元は更紗のプリントに使われていたものという。
これを見て、そうかインド更紗の版木も使えるのではないか、と思い当たる。みんぱくで一緒だった更紗研究が専門の先生から借りられないだろうか・・と思案。
実はいつかコーラムの版木を作り、それを使った襖をつくりたいとも、密かに計画している。
Tags: GD邸 | MEMO 雑記・ブログ | 11.03.11 | (0)
2月半ばから、毎週のように何かと出来事がありつつ、例によってなかなかアップできないまま現在に至るのですが、最近はブログに書いてない事柄の記憶が薄くなりがちなので駆け足で振り返ります。
2/15(火)
午前中から妙に寒気がしていたがそれをこらえつつ、午前GD邸の打合せ、午後NS軒の鉄骨関連打合せと済ませたが、夕方帰ってきた頃にはグロッキー。久々に39度超の熱が出る。インフルエンザだとまずいなと、翌日医者にいったら扁桃炎とのこと。
熱が39度あると、やや目が回る。
40度を超えると(インドでの入院時に一度だけ経験あり)、目を閉じていても、いろんな映像がかつ消えかつ結びて久しくとゞまることなしという感じ。酒に酔いすぎた時にも似ている。
2/17(木)〜
だいぶ復活したので、本棚に収まりきらない本を何とか減らそうと、雑誌や論文資料の一部の電子書籍化(PDF化)、通称「自炊」を敢行する。
必要な裁断機や高性能スキャナーをいきなり買うのは躊躇われたので、「スキャレン」という「自炊」機器レンタルサービスを利用した。裁断機は懐かしの指を切り落としそうなやつ。スキャナ(Scansnap1500)の性能は、紙質によって紙詰まりや二重送りが頻繁に起こるが、まあ満足の性能。A4裏表を3秒くらいでスキャンしてくれるのは素晴らしい。
一週間のレンタル期間中、仕事の合間をみながらザクザク裁断&スキャンを繰り返し、約150冊をPDF化した。それでもダンボール三箱分しか減らなかったのは悔しい。
それなりの高解像度(カラー300dpi、白黒600dpi)でスキャンし、総データ量はおよそ12ギガ。
論文やレジュメ資料の保存には最適と思う。雑誌はまだPCのPDF表示性能が追い付かずやや重い感じがあるが、まずまずの使い勝手。
やや困ったのは、PDFビューワのアプリケーション。マックの場合だけかもしれないが、「Adobe Reader」はページのサムネイル表示が遅く、サクサク流し読みしづらい。マックデフォルトの「プレビュー」はだいぶ軽いが、縦書き(右綴じ)本の見開き表示ができない。そのために結局、いろいろ調べて「ComicViewer」という電子マンガ閲覧用アプリケーションを導入。いいソフトだけれど、アイコンデザインをもうちょっと、何とかしてほしい。
PDFデータは検索できないと価値が半減するので、タイトルと目次くらいは、OCRやウェブ上のデータを拾いつつテキストデータ化しておく必要がある。地味で面倒くさい作業だけど、少しずつやらないといけないな・・。
iPadとかギャラクシータブとか、pdfリーダーが欲しくなってきた。
裁断機はかさばるが、スキャンスナップは買ってもよいかもしれない。
2/19(土)
昨年来、西川英佑氏(元京大、現東工大研究員、薬師寺東塔の修復論で学位)と建築の増改築論に関する研究会を立ち上げようと意気投合し、その第一回が西川氏の尽力でついに開催。
文化財技師の北脇氏や絵画修復を専門とされる田口さん、歴史家の図師氏、RADの川勝氏にも加わってもらい、それぞれ持ち寄ったスライドを披露しながら、あれこれ議論。いろいろな刺激をたくさんもらった。第二回も早くやりたい。
会場は町家を改修し古童具を扱う北大路の葵リサイクルショップ西店。時間の中の建築を考える集まりに実にふさわしい。
スクリーンがなかったので、古い掛け軸にプロジェクターを写す。
| MEMO 雑記・ブログ | 11.03.09 | (0)
写真上段:左から、2歳頃の父きわむ・チビ1号・母
写真下段:左から、4ヵ月頃の父きわむ・チビ2号・母
(究建築研究室のトレードマークの牛がさりげなくウサギになってます。)
新年あけましておめでとうございます。
昨年は竣工物件こそなかったものの、本が出たり賞を頂いたり慣れないレクチャーをしたり子供が増えたりと、なかなかに実りある一年だったのではないかと思っています。
お世話になった皆様、ありがとうございました。
初詣で訪れた横浜の伊勢山皇大神宮にて引いたおみくじは中吉でした。
「いまさら新しい目標を選んでも無理。かねて積み上げた力が発揮できるところを目指してがんばれ。」(おみくじ文面ママ)
との、やや微妙かつフランクな励ましに従って、精進致します。
本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
Tags: 年賀状 | MEMO 雑記・ブログ | 11.01.03 | (0)
こんにちは、ヒショです。
肌寒い日曜日の昼下がり、スパイシーでホットなカレーが食べたくなりました。
カレーといえばインド、インドといえば究所長(?)。インド研究者でもある彼は、特別カレー好きではないけれど、3食カレーがひと月続いても平気な程度には好きだそうです(それ大好きと違うのん?)。そこで今回、久しぶりに本格カレーを作ってもらうことに。
下記レシピは、所長のお兄さん(カレー大好き)が入手した某人気カレー店のレシピをアレンジしたものです。インドの雰囲気をしっかり感じさせつつも日本人好みのマイルドな仕上がり。手間をかける甲斐のある味だと思います。ぜひお試しください!
・分量:7〜10人分くらい
・材料費:約2350円(うちスパイス代750円)
① 肉・野菜など
・鶏モモ肉(400g) ・玉ねぎ(4〜5個) ・トマト水煮(1缶)
・ナス(2本) ・丹波しめじ(1パック) ・ブロッコリー(1株)
※野菜は適宜好みのものを
・ヨーグルト(大さじ2) ・コンソメ(35g) ・塩(適量)
・サラダ油(50mL) ・バター(25g)
Tags: インド ヒショ 飲食 | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 10.12.13 | (2)
うちの事務所は「建築研究室」と名乗っていることもあり、ときどき研究の仕事もやったりする。ここ一ヶ月ほどは、某大きめの企業から依頼されたインドの伝統的住宅に関する研究レポートに、ずっと取り組んでいた。それがようやく先日脱稿! 肩の荷が下りた〜。机に山積みになってた資料もこれで片付けられる。
はじめはヴァーラーナシー、マドゥライの現地調査資料を中心にまとめるはずが、結局、総論から他都市の事例までフォローし、結構なボリュームとなってしまった。ご満足いただけるとよいのだけど。
というようなレポート執筆の合間に、ウェブを見てご連絡いただいた町家改修の相談の、現場確認に行ってきた。
たぶん昭和初期くらいの築で、少なくとも外見上かなりしっかりしている。町家にしては珍しく広い南向きの裏庭があり、明るい日の差し込む室内が魅力的な町家だ。
Tags: GD邸 京都 研究 | MEMO 雑記・ブログ | 10.11.24 | (0)
研究フィールドの一つ、南インドの寺院都市・マドゥライ Madurai。
巨大なミーナクシー寺院を中心に、方形の街路がマンダラ状に重層する希有の都市だ。
久しぶりにGoogleで見たら、かなり精細な写真にアップデートされていた。
地図ではさんざん見てきた都市だが、衛星写真はまた違った迫力がある。
Google EarthやMapが登場する前、都市の衛星写真や航空写真を手に入れるのはたいへんなことだった。たいして精度がよくない写真を何万、何十万ものお金を払って購入していた。僕もなけなしの研究費で買おうとして、高すぎて断念したことがある。それでも、地図からは得られない敷地や地形、建物の形状が見える航空写真は貴重なデータだったのだ。軍の資料を裏ルートで手に入れた、なんていう話も聞いたことがある。
先日メディアショップのイブニングレクチャーでご一緒した和歌山大の平田隆行さんは、フィリピンの奥地の集落や棚田を、GPSを使いながら歩測で、何ヶ月もかけて地図をつくりあげたそうだ。いまではGoogleで一発らしい。曰く「グーグルの馬鹿ッ!(笑)」
でもクリックひとつで手に入る地理情報よりも、汗みどろのフィールドワークの中で得た経験や直感こそが研究の血肉になるんですよね、ね。
Tags: インド | MEMO 雑記・ブログ | 10.10.20 | (0)
7/18-20の三日間、国立民族学博物館にて行われた国際会議に出席する。
自分の英語のまずさを改めて自覚することとなり反省しきり。そんなわけで、会議に貢献できたかどうかは甚だ怪しいけれども、インドでもイギリスでもやられてないヴァーラーナシーに関する研究を、初めて英語で公表できたことはよかった。いくらかお褒めの言葉ももらったので、多少役に立ったと思うことにする。
会議の中で、デリー大学のR. Chatterjeeさんという社会学の先生の、ムンバイのスラムに関する論文にちょっと長いコメントをさせていただいた。内容は割愛するけど、僕はこの論文を読んで初めて「ダラヴィDharavi」という場所の存在を知った。
▼ read more...Tags: インド ヴァナキュラー | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 10.07.27 | (0)
2010年7月18 日(日)~20日(火)の3日間、MINDAS主催、国立民族学博物館・エジンバラ大学南アジア研究センター共催の国際シンポジウム『The City in South Asia』が開催されます(会場:国立民族学博物館)。
かなり専門的テーマを扱い、使用言語も英語(通訳なし)、ということで一般向けとは言い難い(というか研究者向けの)シンポジウムではありますが、参加はオープンです。インド都市研究の最新動向に触れるには絶好の機会と思いますので、ご興味のある方は是非どうぞ。
詳細はこちら。プログラム(pdf)はこっち。
柳沢は初日午前中の「Panel 1A: The Formation of the Indian City」パネリストとして出席します。英語の議論が不安です。
| NEWs 最新情報 | 10.07.15
『亚洲城市建筑史』主編:布野修司・亚洲城市建筑研究会、译者:胡惠琴・沈瑶、中国建筑工业出版社、2010年
2003年に出版された『アジア都市建築史』(布野修司編、昭和堂)が、このたび中国語に翻訳されて出版されたそうです。定価39元。だいぶお安くなってますね。
見本誌をいただいたのでパラパラ眺めていると、やはり中国語の表記に目がいきます。私がコラムを書いたインドの「ヴァーラーナシー」は、「瓦拉纳西」と表記するようです。ちょっと気になって調べてみたら、玄奘の『大唐西域記』では「婆羅痆斯」となっていました。ずいぶん変わるんですね。ちなみに「ヒンドゥー教」は「印度教」です。たいへん分かりやすくてよい。
余談ですが、この大唐西域記中の婆羅痆斯国の記述の中に、有名な「月の兎」の説話(何も取り柄のない兎は、自らの体を焼いて老人(実は帝釈天)に捧げ、兎のこの振る舞いに感動した帝釈天は、月に兎の姿をとどめたという話)が、現地での言い伝えという形で収録されています(この話はいわゆるジャータカ物語の一つとして、いろいろな古文献に載っているのだけど、中国に伝わる文献の中では唯一「大唐西域記」のみが月と兎の関係に触れていて、インドに伝わる古い話の形を残しているのだとか(水谷真成訳の2巻354p注)。日本にもこれを通じて伝わったのでしょう)
初めてこの話を読んだとき、「月の兎」はてっきり中国起源かと思っていたのが、実はインドまで遡ることを知って驚いたものです。
エーゲ海に浮かぶキクラデス諸島の一つ、サントリーニ島の町(おそらくイアだったと思う)。
この島は、アトランティス大陸の推定地としても有名だが、建築の世界では何と言っても、ミコノス島と並び、白い家が群生する街並みの美しさで知られる。
僕が「集落」というものに興味をもった切っ掛けの一つは、たしか、大学1年生頃に見た、二川幸夫によるこの街の写真集だったと思う。
建築に興味の無い人さえ魅きつけてやまない、この風景の魅力の源は何なのだろう。
▼ read more...Tags: ギリシャ ヴァナキュラー | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 , SELECTED 選り抜き | 10.03.21 | (6)
究建築研究室
キュウケンチクケンキュウシツ / Q-Labo.
代表者:柳沢 朋子
協働者・前代表:柳沢 究(京都大学工学研究科・柳沢研究室)
2002年 Que一級建築士事務所 設立
2008年 一級建築士事務所 究建築研究室 に改組
2012年 京都から名古屋へ移転
2020年 究建築研究室 に改組。名古屋から京都へ移転
(1) 設計:建築・インテリア等の企画・設計・監修・コンサルティング
(2) 研究:都市・建築・生活・デザイン等に関する研究・執筆・編集・講演
(3) 企画:(1)・(2)に関連する研究会・イベント等の企画
| ABOUT 概要 | 10.03.20
設計・原稿・その他のご依頼・ご相談は、まずはメールにてご連絡ください。
究建築研究室
キュウケンチクケンキュウシツ / Q-Architecture Laboratory
Address:〒606-8283 京都市左京区北白川仕伏町26-18-1F
Web : http://Q-Labo.info
E-mail : mail@Q-Labo.info
| ABOUT 概要 | 10.03.20
京都市役所緑政課付属都市ビオトープ研究所建設計画, 複合施設:ゴミ処理施設/研究所/ギャラリー, 京都市, 1999(計画案)
10月31日・11月1日と、これの授賞式を口実に、久しぶりの遠出で加賀・金沢旅行。前日からチビが熱を出していたけれど、レンタカーも借り宿も予約してあったので、今さら中止できるかと出発する。チャイルドシートが気に入らないチビの泣き声を背中に延々と聞きながら北陸道を走り、まずは加賀・大聖寺へ。
この近辺、安藤忠雄の中学校とか象設計集団の美術館とか、目当てはいくつかあったけれど、時間が少ないので一点に絞ったのが、江沼神社の長流亭。今回の旅行で見た建築で一番よかった。
▼ read more...Tags: 加賀 訪問 | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 09.11.06 | (0)
フローリングや柱の手入れに使う油、ベンガラや松煙を混ぜて木材に塗装する時に使う油についての簡単な解説です。亜麻仁油、荏油、桐油、椿油について。
| ARTICLEs 小論 | 09.09.22
| LINKs リンク | 09.09.19
五条大橋東詰をのぞむ。
ご無沙汰しております。究建築研究室ヒショです。
(室長の鼻息荒い記事におされ、なかなか更新できません。)
今年もやってまいりました!京都五条坂・陶器祭。
五条大橋東側の南北五条通沿いには、早くもお店が軒を連ねています。
じっくり見ていたら全部はまわりきれないほどの規模なので、時間に余裕を持って行くことをお勧めします。暑い暑い日中はわりと空いていますが、夜はえらい賑わい様です。作家さん個人のお店も多く、お話を聞きながら交渉しながらお買いものするのは、なかなか楽しいですよ。
京都五条坂・陶器祭 8/7(金)~10(月) 9:00-23:00
そうそう、今日は佐藤敏宏さんを囲んでの「ワイワイ会」の日。会場は河原町五条なので、あわせて足を運んでみられてはいかがでしょうか。
Tags: ヒショ 京都 | MEMO 雑記・ブログ | 09.08.07 | (0)
ここのところ7月末〆切の原稿のための資料読みに慌ただしい。
その間のいろいろ。
7/14(火)
祇園祭へ。今年はチビがいるので人混みを避けようと宵々々山へ。しかし平日にもかかわらず山鉾町はかなりの人出で思うように進めず。屏風祭もあまり見れなくて残念。来年はもう一日早めよう。Y上のいる岩戸山にいってビールと粽(ちまき)をもらいしばし雑談。チビが育ったらうちの町内入りませんか、という。最近は子供が少ないからかそんなのもありなんですね。
Tags: 京都 | MEMO 雑記・ブログ | 09.07.24 | (0)
2009/7/10(金)
午前中に打合せを一件すませ、午後はうちの事務所ビルの大家さんと、8月に企画しているスライド会の会場について交渉(空きビルのワンフロアをまるまる借りようと画策しているのです)。その後、T邸現場監理。
晩から図師宣忠氏と合流し、焼き鳥をつまみんだあと、Loki Academicaの「呑みながら講義」第一回に参加。
講師は京大博物館の塩瀬隆之氏。「からくり人形からロボットに伝承された技術」というお題から、からくりの機構的な話かと想像していたが、中身は主にコミュニケーション論であって、それが抜群に面白かった。
Tags: 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.07.16 | (0)
2009/6/1〜7
その他の出来事のメモ。
6/2(火):
7月末に締め切りのある原稿のプロット制作にようやくとりかかる。インドの話なんですが。あれこれ必要な資料などを考えていたら、神戸芸工大に置いてある資料をとりに行かねばならないことが判明。
6/5(金):
ということで、久方ぶりに神戸、芸工大へ。いまさらながら遠い! 助手時代はよくも毎日通ってたものである。
Tags: 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.06.26 | (0)
6/7(日)
天気がよいので、ふと思い立ち午後から宇治へ。
Tags: 京都 思いつき 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.06.25 | (0)
上では天井ボード貼り。下では床暖房の設置。
2009/6/1〜6/7
T邸現場では、内外装の下地、外壁サイディング貼り、床暖房工事などが進行中。
一時の職人過密状態は抜け、新しい現場監督さんも来て、先週のように毎日現場に出る必要はなくなった。でもやっぱり二日と開けずに現場へ行ってしまう。のは、やはり現場が楽しいから。
Tags: T邸 思いつき | MEMO 雑記・ブログ | 09.06.12 | (0)
最近なんだか再評価の機運が高まりつつある「京都タワー」(私が京都に住みはじめた90年代半ばには、かなり白眼視されていたように思います。また、タワー内部の時が昭和で止まっていました)。建設当初に大きな論争を巻き起こした事はよく知られていますが、決着はタワーが完成してなしくずしに。完成から44年(執筆時で38年)経ちました。そろそろ決着をつけてもよいのでは。
Tags: 京都 | ARTICLEs 小論 | 09.06.08
2009/5/18〜5/24
5/23(土)
形の文化会大会参加のため、朝6:30の新幹線で東京へ。この間たまったポイントを使ってグリーン車にグレードアップ(どうせならもっと混んでる時間帯にすればよかった)。N700系だったので設備も最新で実に快適。飛行機のエコノミーよりずっといい(こんなページがありました。すごいな)。眠かったけれど折角なのでノートPCを広げて、報告書の作業などしてみる。
形の文化会では、高木隆司先生の中央アジア石刻絵画分析の発表があって、僕も共同研究メンバーに入ってるので、その聴講が主目的であった。
Tags: 東京 研究 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.05.26 | (0)
鞆の浦はまだ書きたいことがあるんだけど、ちょっと休憩。
上の写真は、鞆の浦名物の保命酒(ほうめいしゅ)4銘柄。16種類の薬種を使ったリキュール(ベースは焼酎かな?)で、かなり甘いけれど、食前酒として氷と一緒にショットグラスで飲むとなかなか。燗にしてもいけそうだ。鞆の浦の食堂「田渕屋」で各種銘柄を試すことができる(ここはお勧め。土間と小上がりの関係がとても心地よい)。
2009/4/27〜5/3
4/27(月)〜29(水)
鞆の浦・広島から帰って、30日必着のコンペにむけた作業。
小規模なコンペで実は建築分野でもないのだけど、かねてから温めていたテーマに合致するので、作品をつくるいい機会と考えて乗っかることにしたのだ。
Tags: 事務所 研究 | MEMO 雑記・ブログ | 09.05.16 | (0)
2009/4/6〜4/12
4/12(日)
久住氏に声をかけられて黒谷光明寺での花見茶席へ。
僕の頭には「お茶」について、何故か、いつのころからか、『格式偏重の前近代的権威主義的世界』とかいう負のイメージがこびりついていて、ある時期には、それを習うことは(極端に言えば)『非京都人の京都趣味への屈辱的迎合』に他ならない、とまで思っていた。まったく研究者や設計者としてあるまじき偏見である。
Tags: 映画 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.05.02 | (0)
2009/4/6〜4/12
4/8(水)
先月から隣の部屋が空室になっていたので、京都に部屋を探している友人に紹介したところ、探していた部屋の条件とバッチリとのことで、本日夫妻で見学に来訪。
隣の部屋は三角形の変形プランで、前部屋がドドーンと鴨川に面している。うちのビルは1960年代の建設ながら、開口部のオープンさは最近のデザイナーズマンションでもなかなかありえない程に大胆だ。
Tags: 事務所 研究 | MEMO 雑記・ブログ | 09.05.01 | (0)
2009/3/23〜3/29
3/28(土), 29(日)
朝9時の飛行機で仙台へ。みんぱくの共同研究会が仙台の宮城学院女子大にて開催されたため。
仙台は、2年前に同大学にて自分が発表したとき以来であるが、それにしても寒かった。真冬にいきなり突入したようで、服が全然足りなかった。とりあえず仙台駅について、立ち食いの寿司屋で昼食。
| MEMO 雑記・ブログ | 09.04.10 | (0)
2009/3/23〜3/29
3/27(金)
午後より、京都大学にてアジア都市建築研究会。応地利明先生による海洋ネットワーク世界の興亡史(講談社の『興亡の世界史』20巻に掲載されるとのこと。それにしてもこのシリーズの執筆陣は豪華だ)は、知的刺激に充ち満ちていて、頭がむずむずしてきた。優れた著書や話者と向き合った際に、筆者や話者の思考に釣られて自分の思考までが心地よく回りだすという感覚を、誰しも経験したことがあると思う。こういう感覚を、僕は「脳に油を差す」感覚と呼んでいる。久々の油差し体験であった。意識的にこういう機会を求めていかないといけない。
研究会後は例によって「百万遍・写楽」。
明日朝早いので一軒目で早々に帰宅(といっても12時)。
Tags: 研究 | MEMO 雑記・ブログ | 09.04.09 | (0)
2009/3/23〜3/29
年度末のためか、やけに人と会う機会、すなわち呑み会の多い週であった。
3/23(月):
T邸の確認がおりる。とりあえず一安心。
3/24(火):
学研都市の研究所に勤めているE平氏が、この春から大学教員として東京へ移動することになったので、二人でもつ鍋屋「先斗町 亀八」にてお祝い+送別の呑み。もつ鍋、味はよいがもつの量少なし。鍋の中を箸で探さねばならないとは何事か。ただし、付出のシメ鯖の炙りはよかった。あんなシメ鯖の食い方もありかと驚いた。
Tags: 京都 飲食 | MEMO 雑記・ブログ | 09.04.08 | (0)
はじめまして。究建築研究室のヒショ(秘書)です。
うちの所長(本当は室長ですが呼びにくいので所長とします)のブログが、あまりに堅く難解なことがあるので、ちょっと賑やかしに乱入してみました。私は、気軽な感じでぼちぼちと、時々登場する予定ですので、皆さまよろしくお願いします。
事務所近くの桜も満開。とても気持ちの良い日が続いてます!
(写真は、木屋町五条の牛若ひろばにいる弁慶と牛若丸。下水工事のため、五条通りの中央分離帯からお引越し中。)
Tags: ヒショ 事務所 京都 | MEMO 雑記・ブログ | 09.04.07 | (0)
2009/3/9〜3/15
3/9(月):
「ヴァーラーナシーVaranasiカナ表記」論を、とあるところに投稿するために、考察などに若干手を加えて文章の体裁を整える。論文と呼べるようなシロモノでは無いけれど、学位論文以降そっち方面の思考回路を全然使ってないから、テーマをたててデータをとって分析を加えて人に伝わる文章にまとめる、という研究活動の基礎トレーニングのようなつもりでやってたら、意外に楽しかった。
Tags: ギリシャ 研究 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.03.23 | (0)
2009/2/23〜3/1
2/28(土):
インド・ラージャスターンの民族音楽の催しを見に万博公園の国立民族学博物館へ。共同研究員をやってる関係で、三尾稔先生より招待券をいただいたのだ。同行は久住鴻輔・水谷馨・モンド各氏。同日、京大でやっていた青木淳講演とどちらに行くか迷ったが、聞く機会が少ないのは間違いなくこっちだろう、ということでこっちへ来た。
Tags: インド | MEMO 雑記・ブログ | 09.03.19 | (0)
だいぶ遅れてしまったけど、頑張って追いつこうとしてみる。
2009/2/23〜3/1
2/23(月):
工務店の方と一緒にT邸敷地にて、地盤・基礎レベル関係の調査・打合せ。
当初参照していた図面の数値よりも、若干敷地の奥が高くなっていることや、隣家の基礎がはみ出していることなどを確認して、基礎レベルの高さちょっと修正することに。
一方クライアント側からは、メンテナンス用に床下に人が入れるようしたいという要望も上がってきたので、確認申請に出す前に高さ関係の最終調整を行う。
T邸はほぼセットバック無しなもんだから、道路斜線をめぐる涙ぐましい寸法調整が発生…。そりゃみんなセットバックして、前に駐車場つくるわな。
2/24(火):
市役所と某民間確認検査機関に行って、確認申請をめぐる相談やら確認やらあれこれ。
Tags: T邸 京都 | MEMO 雑記・ブログ | 09.03.18 | (0)
2009/2/16〜22
2/17:
工務店での打合せ帰りに、文椿ビルジングのニュートロンへ。当研究室秘書の友人であるという大舩真言さんの個展をのぞきにいく。(今回見た)彼の作品は、即物的に表現すれば、彩度の低い青を中心とした岩絵具や泥絵具を和紙の上に厚く塗ったものだが、鉱物質を含む絵の具が光をいろいろに反射し、絵の具の塗りの厚さが絵に陰影を与えるため、視線や光の角度により様々に表情の変化があるのがとても楽しい。
Tags: 訪問 | MEMO 雑記・ブログ | 09.02.25 | (0)
前回は、ちょっとした思いつきで始めたバラナシ表記問題にだいぶのめりこんでしまった。結構な時間も使ってしまったので、折角だからどこか雑誌に載せてもらえないかと打診したら、可能性ありとのこと。やったあ。
2009/2/16〜22
T邸のVE(コストと設計のバランス調整)による変更点をふまえて、構造関係の伏図(こんなの)や矩計図(こんなの)の修正にかなりの時間をかける。基礎、土台から床、小屋、母屋までの各伏図を全部検討しなおし。
▼ read more...Tags: T邸 映画 | MEMO 雑記・ブログ | 09.02.24 | (0)
"ARTICLEs"の方に、むかし建築学会の雑誌に書いた、ヴァーラーナシー Varanasi の「死を待つ人の家」の話を載せました。
私にとってヴァーラーナシーは、修士以降ずっと研究のフィールドにしている馴染みの深い都市なのだけれど、この都市について、つねづね不満というか不便に思っていることがある。
それは、ヴァーラーナシーがインドの一大聖地にして世界的観光地であり、かなりの知名度をほこる都市(日本でいう京都の存在に近い)であるにもかかわらず、都市の呼称にバラツキがありすぎる点だ。
Tags: インド 研究 | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.30 | (0)
町家再生などで試みた伝統的な木材塗装「古色付け」について、まとめたものです。いわゆる「古びた感じ」の表現にとどまらず、木材塗装をもっと自由に使ってもいいんじゃないかというのが主旨。神楽岡工作公司のサイトに載せている「古色に関する覚え書き」の「4.古色に関する現状と展望」に相当するものです。
Tags: 京都 装飾 | ARTICLEs 小論 | 09.01.18
2009年、柳沢家および究建築研究室あてに届いた年賀状BEST 3である。
(企画主旨はこちら)
まずは、年末の忙しい時間を割いて年賀状をつくり送っていただいた全ての方に感謝の意を表したい。「選考」「優秀」などと、上から目線で何様や、という向きもあろうが、あくまで年賀状に込められたメッセージを真摯に受けとめようとする姿勢に基づくもののと、ご容赦願いたい。
さて、選考作業は連れ合いと二人で昼飯休憩の際に行った。
対象は年賀状のデザイン(定型文として印刷されたテキストは内容も含む)として、手書きメッセージの内容や差出人との関係の疎密は、考慮しないこととしたが、何をもって「優秀」とするかは、明快な選考基準を特に定めないまま開始した。
Tags: 年賀状 | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.11 | (0)
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