ジャイプル Jaipur:India, 1996
ハワ・マワル Hawa Mahal(風の宮殿)
風通しがよいから「風の宮殿」というストレートというかやや安直な命名ながら、砂岩でできた陰影に富む複雑なファサードがとても魅力的。白い縁取りは大理石というわけではなく、たしかペイントであった。
18世紀に建設されたハワ・マハルのファサードは、石のスクリーン(ジャリjali)で囲まれた無数の出窓によって特徴づけられている。出窓の一つ一つには、きちんとドーム状の屋根(庇)が掛けられていて、それぞれが独立した要素であることを主張している。この出窓の原型はおそらく、古くからあるヒンドゥー建築のチャトリであると思う(ジャイサルメールのチャトリ、ファテプル・シークリーのチャトリ)。
チャトリはヒンドゥーの宮殿の屋上や中庭によく見られる東屋である。建築全体の構成の中では装飾的な意味合いも大きいが、機能的には風通しよく涼しい日陰の居場所をつくるための装置である。このハワ・マハルのファサードは、そのようなチャトリを集合・積層して、その隙間を壁で埋めることで生まれたものに思われる。
ところで出窓を覆うスクリーンの目が、上層階に行くほど細かくなっているのは何故だろうか。道から室内が見通せないように視線をコントロールする目的であれば、下層階ほど細かくするのが自然だけど・・
ジャンタル・マンタル Jantar Mantar
同じく18世紀に建設された天文観測施設群。ヴァーラーナシーのマン・シン宮殿の屋上にも小さなものがある。
現代彫刻のような独特の造形は、観測器具の即物的・機能的形態を、そのまま建築スケールに拡大したことで創りだされている。すごく複雑な「日時計」とまでは理解できるが、夜にどうやって星を観測していたのかはまったく想像ができない。
まさに「Stairway to Heaven」
インドで後にも先にも一回だけ出会ったコブラ使い。よりによって中央分離帯にて。
ジャイプルで泊まっていた15人部屋のドミトリー。ここは比較的きれいな方。
Tags: インド | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 12.08.16