2011年04月: 究建築研究室 Q-Labo.|https://q-labo.info/2011/04/
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4/17(日)
斜庭の町家が『モダンリビング』誌に掲載されることになり、初夏を思わせる陽気の中、写真撮影が行われました。
住み手のTさん夫妻には、せっかくの休日にもかかわらず、快くご了承いただき感謝です。
左:
編集の臼田桃子さんと写真家の山本育憲さん。時間をかけて丁寧に撮影していただく。
シャッターを切るそばから、無線でノートPCにデータを飛ばして確認しながらの撮影。横から覗き見していると、いままでとはまた違った雰囲気で撮られているようで、仕上がりが楽しみ。
右:
道路際の植栽がだいぶ育ってきた。草(ローズマリー)が溢れ出しているのがよい。
木がもっと育つともっとよい。
建築で作られる街並みも大切だけど、一軒一軒の家が道に面して一本でも木を植えれば、街はずっと潤うのにと思う。
「モダンリビング」といえば、古いですが、池辺陽のケーススタディハウス(石津邸)が思い浮かびます。池辺陽については、10年くらい前にちょっとした文章を書く機会があり、だいたいの著作を読みました。印象的だったのは、戦後の住宅設計について語ったときの、「施主が絶対に満足しない家を建てたい」「人間として日本という国に、最も悲観的な見通しを持つようなモメントに住宅がなるべき」というフレーズです(「庶民住宅をどうするか」『新建築』1954年4月号)。
これはもちろん皮肉も混じった逆説的な言い方なのですが、惰性に流されがちな自分に、住宅の設計ってのはそういうもんじゃないだろ、と喝をいれてくれる言葉として、時々思い出します。
夜には久しぶりに神楽岡工作公司でのスライド会。
畑中さんによる「南ドイツで見たこと考えたこと」は盛況。
神楽岡のサイトで紹介しています。
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T邸
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| 11.04.20
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4/13(水)
先日部分解体を行ったGD邸の現場にて、解体で見えてきた躯体や下地の様子を確認しながら、大工さんや左官屋さんらと4時間かけてみっちりと打合せ。
単純に骨組みだけに戻してつくり直す方が楽かもしれないけれど、家に積もった時間をリセットすることなく、新しい生活を重ね描きしていきたい、というのが今回のリノベーションの趣旨。なので、予算を睨みつつ、手を加えるところ加えないところ、加えるとしたらどこまで加えるかを一つづつ考えないといけない。
右の写真は、一階の部分解体で剥がした床板。よく見ればいい味がでてるので、どこかに活かせないものかと、捨てずにとって置く。
並行して家具や構造補強についても具体的な検討が進んでいます。
4/15(金)
早くもNS軒の中間検査第2回。各階の床も出来上がってきています。
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GD邸
NS軒
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| 11.04.19
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春らしい話題二件。
4/8(金)
友人の上田太一郎氏のバー「うえと salon&bar」がこの日オープンを迎えられたので、GD邸解体作業の埃を落としてから、夜少しだけ飲みに行きました。おめでとうございます。
バーの二階には、何かとお世話になっているpotitek 戸田さんのギャラリーがある。
土壁をベースに木部を栗とタモでまとめた、とても上品な落ち着きのある空間は、見習うところが多い。
店の内外にお祝いの花が見たことないくらい溢れていたのは、お二人の人柄を表すものでしょう。僕は花を贈る柄ではないので、お祝いの気持ちを込めて杯を重ねよう。なんちて。
チビが生まれてから飲みに出る機会がぐっと減ったものの、友人が京都に来た時などには連れだって行きたい場所ができました。三条東山界隈で、龍門からうえとへ、なんてコースは結構いいかもしれない。
4/9(土)
昨年に引き続き、荒壁を廻る家での落語&朗読&花見の会にお邪魔する。
( >> 昨年の様子。今回の写真は合成じゃありません)
落語は二口大学さん「幾代餅」。傾城に誠なしとは誰が言うた。いい話だ〜。
朗読は広田ゆうみさん。 別役実の「二人の紳士」「工場のある街」「迷子のサーカス」。目をつむって聞いているとファンタジックな情景が思い浮かぶ。「二人の紳士」のようでありたいねえ。
花見は疎水沿いに咲きほこる桜をバルコニーから満喫。というのは嘘。酒と話でほとんど見てない。
この日もたくさん方と楽しい時間を過ごすことができました。Kさんご夫妻に感謝。
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荒壁廻家
飲食
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| 11.04.18
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町家改修の京都GD邸は、現在見積調整の佳境に。
並行して、躯体や下地の状態をより精確に把握するための、部分的な解体工事を行いました。この家はたぶん昭和10年頃の建設で、その後何段階かの改修が施されている様子。その改修の地層を剥がしていく作業です。
上:
一階の畳をあげ床板を開けていく。基礎は束石。
床下は乾燥していて状態は悪くない。しかし改修時の施工があまり丁寧ではなかったようで、床は全体をつくりなおすことにしました。
左:
ベニヤを剥がしたら、真壁の土壁が出てくるとは予想してたのですが、意外や大津壁が登場。柱は塗りがかかっている。壁の状態もそんなに悪くなく、味があるといえばある。が、そのままで使うにはちょっと苦しいかな。
ここの土壁を観察すると、少なくとも2度大掛かりな改修がされていることがわかった。
右:
天井を剥がすと、今度は立派な大和天井が出現。ベンガラで綺麗に仕上げてあり、梁や板の状態も良好。これは嬉しい予想外で、このまま使うことになった。
左:
プリントベニヤにあった、かつてこの家に住んでた女の子が描いたと思われる落書き。なかなかのセンスを感じさせる描線です。柱のあちこちには、背比べの傷がたくさんありました。
右:
で、そのベニヤをはがすと煤で真っ黒になった壁が。
どうやらここは火袋(竈の上にある煙抜き用の吹き抜け)だったところで、後の改修でそこに階段を作ったことがわかった。
とすると通り庭の位置もだいたい推測できる。原型がだんだん見えてきた。
上:
では、元々の階段はというと、ここにあったことが壁の様子からわかる。
(階段の側面についている斜めの板の痕跡です)
竹小舞・荒壁・中塗・上塗りと、仕上げサンプルを示すかのような壁面が面白い。
これはこのまま残したいなあ。だめかなあ。
左:
2階の床板は、板厚が2cmほどあり幅も広い立派なもの。これはそのまま使える。
畳の下には必ずといっていいほど新聞紙が敷かれていて、その日付から畳替えの時期がわかる。これは1990年だったので、そんな昔ではない。
前に調べた町家では、「満州国建国」=昭和7年の新聞が出てきて驚いたことがありました。
右;
一階床下から出てきた不思議な構造体。
レンガを積んで内側を漆喰で仕上げてある。明らかに耐火の仕様だ。
囲炉裏? 職人の作業用の炉? 隠し金の保管場所? などといろいろな意見が出たのですが、事務所に戻って調べてみると、どうやら昔の掘りごたつの跡のよう。この中に炭を置いて使っていたらしい。
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GD邸
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| 11.04.15
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これぞゴシックというランス大聖堂。
訪れた時には知らなかったけれど、ランス大聖堂は第一次大戦の空爆で壊滅的な被害を受けたところから修復されたものであり、その作業は今なお続いているのだそう。
建築は残るのではなく、残る価値のあるものが残される、ということを思う。
さて、ランスはシャンパンの町としても有名で、たくさんのワイン蔵があるそうだけど、当時はそんなことまっったく知らず。大聖堂を半日がかりでスケッチして満足し、町を去ってしまった。悔しい。
下の写真はランスと関係のない、パリの公園でのスナップ。
背景に石の街並みがたっぷりあると、鮮やかな色を使いたくなるのは分かる気がする。
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, PICTUREs 旅と建築
| 11.04.14
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先月末、京都NS軒の鉄骨建て方が行われた。
約6m×13mの内部空間を無柱にして、なおかつ壁の中の柱を100mm角という木造スケールのサイズにおさえるという主旨の設計。そのため、前面にごっついめの柱が鳥居のように出現している(構造設計は門藤芳樹氏)。
ぶっとい柱の足元はRCの基礎に埋まっているのに、全体が組み上がるまで、柱はゆあーんゆよーんと揺れまくり。鳶職はそこを素手でリスのように登っていく。幅100mmしかない平均台みたいな梁の上もひょいひょい。クレーンを使っているものの、これだけのサイズと重さの鉄骨を、5人で組み上げてしまうのは、眼の前で見ていても信じがたい。
動きにほとんど無駄がない。
右写真はほぼ全体が組みあがったとこ。ごっついようだけど、壁ができていくと街並みにしっとり馴染むはず。
3階レベルに登ってみる。
瓦屋根だけが切り取られて見える風景が妙に新鮮です。
こういうシーンを見てると、いっそ温室のように全面ガラス張りで仕上げてしまうと気持ちいいだろうなあと思う。その中に植物わさわさ生やして、木陰もつくったりして。
都市内温室というのは、ずっと実現してみたいと思ってることの一つなのです。
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NS軒
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| 11.04.13
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ひさしぶりの神楽岡スライド会、やります。
講師は、昨年度、文化庁新進海外芸術家派遣による
ドイツでの一年の研修を終えられた畑中久美子さん。
神楽岡でのスライド会は2004年以来の2回目となります。
ドイツの環境共生建築の話はもとより、
事務所での仕事のスタイルや、旅のおはなしなど
さまざまな興味深い話題が伺えると思います。
どうぞ奮って、またはお気軽にお越し下さい。
詳細は下記よりご確認ください。
>> 神楽岡工作公司:スライド会「ドイツで見たこと考えたこと」
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| 11.04.02
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