2011年10月: 究建築研究室 Q-Labo.|https://q-labo.info/2011/10/
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10月22日(土)
T邸(斜庭の町家)の「フローリングに荏油」と同じく、無垢フローリング(ウォールナット)に亜麻仁油を塗る作業をしました。
参加者は、施主Aさん、妹さん、柳沢、助っ人のミズモト氏。
私は、チビ2号が体調すぐれないまま復活せず、またまた自宅待機することに。

ビフォーの状態。これはこれで良いのですが、亜麻仁油を塗ると、ツヤが出て濡れ色になります。数年経過すると味わいが出てきます。

土間にもみんなでワックスをかけました。ややしっとりした表情に変わりました。
床に油を拭いたりワックスを掛けるとき、柳沢はいつも「ベスト・キッド」を思い出すそうで、毎回ワックス・オン、ワックス・オフ…と言っています。

今回の改修で、六畳の和室を四畳半に縮めることで新たに生まれた「室内の縁側」。
1mほどの幅の間に、いろいろな素材が新旧混ざって並んでいるのがおもしろいです。
左から、
・新しいモルタル
・新しいステンレスの見切り
・古いバラ板+柿渋
・古い敷居
・もともと土間部分に貼ってあったのを剥がして移動し貼り直した古いフローリング
・新しい敷居
・新しい畳
(ヒショ)
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| 11.10.28
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10月20日(木)
GD邸の施主と設計者による最終確認の日。
私も立ち会う予定だったのですが、前日、チビ2号が40度近い高熱を出してしまい、自宅で待機することに。柳沢は「なかなかいい感じに仕上がっている」と自画自賛気味。
これまで載せてなかった部屋の写真を少しご紹介します。
また、キッチンや玄関収納をつくっていただいたマエダ木工さん、銅粉染めの襖に初チャレンジしていただいたかみ添さんにも、ブログでご紹介いただいています。

左:1階土間(銅版画のアトリエに)
右:リビングダイニング

左:2階吹抜け前
右:2階子供部屋

左:1階和室
右:トップライトから、光がやわらかく差し込んでいます。
今までシートで覆われていたフローリングがお目見えし、造作家具も取り付けられ、古い町家が若返ったよう。改修前と比べ格段に明るい空間になりました。
打合せ中、施主Bさん(推定身長190cm)が鴨居に2度頭をぶつけていたそうで、そこだけ気になりますが・・・。
※施主ABさんのご厚意により、オープンハウスを開催させていただくことになりました。

とあるところにバスブザーを再利用。思わず何度も押したくなってしまう。
(ヒショ)
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| 11.10.23
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「建材」を並べてみると、まるでスパイスのよう。
柿渋塗りの際、話題になった「味わう建材の会」。
この企画を実行するまでの経緯を、柳沢が神楽岡工作公司のジャーナル(2004年1月13日)に書いているので、一部を引用します。
年をまたいで温め中の企画がある。それは「味わう建材の会」(略して「味建」)の開催。その名の通り「建材」(建築の資材、建築材料)を食して味わい尽くしてやろうではないか、という試みである。
…事の発端は…鈴木健太郎氏の発言である。アンビルトの建築を構想することの意義についての議論が沸騰し、各人酔いが程よくまわった頃、彼は「…結局、建築は実物に取り組まないとだめだ。材料に真剣に向かい合うんだ!」と熱く語りだした。大学卒業後数寄屋大工の修行に飛び込んだ彼だけに、よくある意見でありながらもさすがに説得力がある。…「お前ら材料が大事とか言っとるけど、食ったことあるのか!!!」…「よ~し、だったら食ってやろうじゃねぇか」。
…というわけで企画が持ち上がった。
…建築における素材(とりわけ自然材料)が重要視され、シックハウスが社会問題として取り沙汰される今日、建材を文字通り身をもって「味わう」という行為には、それなりの価値がありそうである。
というわけで
2004年3月7日(日)、「味わう建材の会」が実現しました。
この日のメニュ-は、、、
フルコースとなっております。

■食前酒:柿渋(5年もの、薬用)
■オードブル:那智黒、鞍馬石、白川砂、川砂利
寒水石、御影石、ガーデニング用石、レンガ
金箔、銀箔、アルミ箔
■スープ:黒聚楽、稲荷山黄土、京錆土、三重浅黄土、石灰、セメント
■サラダ:黒谷楮紙、土佐雁皮紙、石州三椏紙
■メイン:桧、台湾桧、赤杉、北山杉、ヒバ、楢樫
チーク、スプルース、赤松、桐、塩地
イチイ、栂、柳、黒檀、楡
2×4材、コンパネ、煤竹、孟宗竹
■デザート:三千本膠、粒膠、つのまた、銀杏草
木工ボンド、大和糊
■紅茶:亜麻仁油、桐油、荏油、椿油
墨汁、ベンガラ、松煙、群青
上の右側の写真手前は、京錆土と木材(楢樫?)、寒水石のカツカレー風。

左:那智黒と藁すさ 黒聚楽スープ仕立て
右:数種の竹の盛り合わせ お口直しに顔料のカクテルを

「ごちそうさまでした。」
・・・
7年前に行われたこの企画、実録レポートをサイトに掲載する予定だったらしいのですが、実現しないまま埋もれていました。今回、柿渋をきっかけに「味建」の全貌を知り、さすが職人集団、その芸の細かさに感動したので、この場を借りて掲載することにしました。
気になる味の感想など、詳細は後日。
(ヒショ)
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| 11.10.20
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秋晴れの気持ちの良い天気に恵まれた10月17日、枚方TK邸の地鎮祭が執り行なわれました。

お供え物の鯛がキラキラしておりました。

左:もうすぐ2才になるお子さんも張り切って参加。
右:土地の四隅にお祓いをし清める神主さん(四方祓/しほうはらい)。
いよいよこの地に設計してきた家が建つのだと思うと、感慨深いものがあります。節目の式というのは、気持ちがシャキンと引き締まって良いものです。工事がスムーズに進みますように。
今回のTK邸は、枚方のIFA住宅設計室さんによるプロデュース。
担当のヒグチ君(神戸芸工大出身)とともに4月から打合せを重ね、今回の地鎮祭に至りました。
設計の内容については、またおいおいアップしていきたいと思います。
(ヒショ)
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TK邸
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| 11.10.19
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10月6日、GD邸の改修現場にて。
吹抜けから2階を見上げたところ。ここには木工職人兵働さんの机が取り付けられます。

左:倉日用商店「昭和の生活雑貨・荒物展」にて
右:砥部焼でsightglass coffeeのコーヒーをいただく
現場での打合せの帰り、保育園のママ友のお店でもある、堀川商店街にある倉日用商店に立ち寄ってみました。ちょうど「昭和の生活雑貨・荒物展」という企画展の初日で、お店には、昭和20年代から50年代頃までに作られたデッドストックがずらり。店主の商品に対するアツイ思いが伝わって来ました(店長日記で商品についていろいろ紹介されています)。K村氏、ありがとう!私はデッドストックものは買わなかったのですが、砥部焼のそば猪口などを購入。
企画展は、10月25日(火)まで。
この日GD邸現場で、施主のAさんBさんご夫妻から、サンフランシスコのお土産をいただきました。
Sightglass Coffeeというコーヒーbarのグアテマラ産コーヒー豆と、塩キャラメル入りチョコ。このコーヒーbarは、今サンフランシスコで一番ホットなお店だそうです。
さっそく家に帰って、ホコリをかぶったコーヒーミルを引っ張り出し、久方ぶりに豆をゴリゴリ挽いてみました。そして買ってきたばかりのそば猪口に、ドリップしたコーヒーをゆっくりと注ぐ・・・。下の子供ができてから、忙しさと体調の関係でコーヒーをあまり飲まなくなっていたのですが、やはり香りが全然違っておいしい。豆を挽く心のゆとりぐらいは持ちたいものだと、しみじみ思いました。AさんBさんありがとう!
Sightglass Coffeeという店は、古い倉庫(工場?)を改修してつくったようです。かっこいい。
beforeとafter(12photos)
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| 11.10.18
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古い床板に柿渋を塗りました。
(参加メンバー:施主Aさん・その妹さん+究所長・イナガキ氏・ヒショ)

まずは板の汚れやホコリをとるため、雑巾で板の表面をゴシゴシ拭き、その後刷毛で柿渋をムラのないよう丁寧に塗ります。今回は室内なので1度塗りにしました(あまり柿渋の色が濃くなりすぎるとせっかくの風合いが損なわれるので)。
乾いた床板がしっとりと落ち着き、潤いを取り戻した感じがします。

トップライトからの光を浴びながら作業するイナガキ氏。
柿渋は光に当たると色が濃くなっていくという性質を持っています。
何年か経って、光の当たり具合によって色の濃さにグラデーションが出ることを期待しています。
ちなみに、このバラ板を貼り合わせた壁のヒントになったのは、港町などで見られる古い舟板を貼りあわせた壁だそうです(下の写真は、以前紹介した鞆の浦の蔵の舟板)。

ところで、
柿渋はぱっと見、熟成した赤ワインのような色合いをしています。作業途中ふとそのことをつぶやくと、横から究所長の声「柿渋飲んだことあるで~」。試しに柿渋をなめてみると、赤ワインとは似てもにつかぬ味。少量なのに口いっぱいに広がる渋み。
そういえば、その昔神楽岡工作公司で「味わう建材の会」という企画を実施した話を思い出しました。究所長はその時柿渋を試飲したらしい。事務所に帰ってその時の写真を見せてもらうと、何とオードブルに始まりデザートまで、「テイスティング」していました・・・。
建築に使われる土や木材、顔料、糊などを味わってみる、というこの珍企画。2004年の試みですが、埋もれさせるにはもったいない。後日、あらためてアップしたいと思います。
(ヒショ)
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| 11.10.13
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先日お伝えした通り、古い床板には柿渋を塗ることになりました。
9月吉日、現場に着いてびっくり。なんということでしょう~。
床板として数十年、日陰の存在だった古い板が、まるでパズルのように壁面に収まっているではありませんか。
↓

(一部抜粋。実際は横に貼っています)
この家から出てきた古い床板だけでは数が足りないので、数種の板を切って組み合わせるという、気の遠くなるような作業(大工の高尾さんのおかげです、ありがとうございます!)。
1階の畳の下に敷いてあったバラ板、2階押入れの床板、別の古い家を解体した際ストックしておいたバラ板、それでも不足した分は新しいバラ板を足しています。
ちなみに「バラ板」というのは、壁や床の下地に使う板のことで、厚さは12〜20mm、たいていは杉板です。下地用なので鉋はかかっておらず、表情は粗めです。
さて、ここに柿渋を塗ると一体どのようになるのでしょうか・・・。
(ヒショ)
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GD邸
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| 11.10.05
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