味わう建材の会 その1
「建材」を並べてみると、まるでスパイスのよう。
柿渋塗りの際、話題になった「味わう建材の会」。
この企画を実行するまでの経緯を、柳沢が神楽岡工作公司のジャーナル(2004年1月13日)に書いているので、一部を引用します。
年をまたいで温め中の企画がある。それは「味わう建材の会」(略して「味建」)の開催。その名の通り「建材」(建築の資材、建築材料)を食して味わい尽くしてやろうではないか、という試みである。
…事の発端は…鈴木健太郎氏の発言である。アンビルトの建築を構想することの意義についての議論が沸騰し、各人酔いが程よくまわった頃、彼は「…結局、建築は実物に取り組まないとだめだ。材料に真剣に向かい合うんだ!」と熱く語りだした。大学卒業後数寄屋大工の修行に飛び込んだ彼だけに、よくある意見でありながらもさすがに説得力がある。…「お前ら材料が大事とか言っとるけど、食ったことあるのか!!!」…「よ~し、だったら食ってやろうじゃねぇか」。
…というわけで企画が持ち上がった。
…建築における素材(とりわけ自然材料)が重要視され、シックハウスが社会問題として取り沙汰される今日、建材を文字通り身をもって「味わう」という行為には、それなりの価値がありそうである。
というわけで
2004年3月7日(日)、「味わう建材の会」が実現しました。
この日のメニュ-は、、、
フルコースとなっております。
■食前酒:柿渋(5年もの、薬用)
■オードブル:那智黒、鞍馬石、白川砂、川砂利
寒水石、御影石、ガーデニング用石、レンガ
金箔、銀箔、アルミ箔
■スープ:黒聚楽、稲荷山黄土、京錆土、三重浅黄土、石灰、セメント
■サラダ:黒谷楮紙、土佐雁皮紙、石州三椏紙
■メイン:桧、台湾桧、赤杉、北山杉、ヒバ、楢樫
チーク、スプルース、赤松、桐、塩地
イチイ、栂、柳、黒檀、楡
2×4材、コンパネ、煤竹、孟宗竹
■デザート:三千本膠、粒膠、つのまた、銀杏草
木工ボンド、大和糊
■紅茶:亜麻仁油、桐油、荏油、椿油
墨汁、ベンガラ、松煙、群青
上の右側の写真手前は、京錆土と木材(楢樫?)、寒水石のカツカレー風。
左:那智黒と藁すさ 黒聚楽スープ仕立て
右:数種の竹の盛り合わせ お口直しに顔料のカクテルを
「ごちそうさまでした。」
・・・
7年前に行われたこの企画、実録レポートをサイトに掲載する予定だったらしいのですが、実現しないまま埋もれていました。今回、柿渋をきっかけに「味建」の全貌を知り、さすが職人集団、その芸の細かさに感動したので、この場を借りて掲載することにしました。
気になる味の感想など、詳細は後日。
(ヒショ)
| MEMO 雑記・ブログ | 11.10.20 | (0)