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名城大で竹原義二氏特別講義: 究建築研究室 Q-Labo.|https://q-labo.info/memo/000417.php
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名城大で竹原義二氏特別講義

1日、名城にて竹原義二さんをお招きした特別講義を開催しました。会場の制作室はほぼ満員盛況、1・2年生の参加も多く、はるばる大阪からIFAの皆さんも。

第1部は、今回の企画を数ヶ月前から準備していた学生グループによる「竹原建築解題」として、1985年から2015年まで30年間の作品から5題を発表。作品そのものだけでなく、時代背景や同時代の建築作品との比較をし、空間については雑誌に発表された図面と写真をもとに50分の1の模型を作りながら読み込んだもの。担当した学生はかなり図面と空間を把握する力が鍛えられたのではないかと思う。101番目の家の模型は複雑すぎてついに未完成でしたが、それもまたよしでした。

第2部は竹原氏の講演。「無有」を造るときはサシで何時間も話を聞いたけど、講演会は初めて。古今東西の建築をみる目の話から近作について、また映画やマンガの話まで縦横融通に展開して、あちこちから問いかけや示唆が投げられるも答えは俄かには示されず、やや困惑しつつも不思議といい気分であるという感覚は、101番目の家の空間体験に通じるものがありました。歴史的空間を見る目と作品の関係の話は「無有」(学芸出版社、2007)
にも詳しい記述があります。

第3部は会場で懇親会。酒を片手に模型と竹原さんを囲んで。ふだん講演会などの懇親会があっても、もじもじして話しかけない学生もよく話す。講師の人柄もあるでしょうが、作品に思い切り向き合ったという自負があるからでしょう。第4部は居酒屋で、摂南大から駆けつけた学生も交えて終電ギリギリまでわいわい。

竹原さん、長時間にわたってまことにありがとうございました。

他の大学では建築家講演会がよくあるのに、名城では全然ない(いろいろな制度上の理由があるのですが)、という声にこたえて、今年度後期からMS-26という大学事業と同窓会の支援を受けて、3回の特別講義を企画しました(第1回青木茂氏、第2回西田司氏、第3回竹原義二氏)。とはいえ、せっかくいい講師に来てもらっても、一方的に話を聞く+質問パラパラではつまらない。滋賀県立大のダンワシツ等を参考に、講師ごとに2年生からM1までの5〜6人の学生企画グループをつくり、作品の予習・見学・勉強会、講師との事前打合せも学生が行い、さらに当日は作品研究を本人を前に発表するというプログラムに。

結果として、参加した学生はよくやったし、貴重かつ有意義な経験となったと思う。青木氏・西田氏の企画の準備段階はあまり見てないので分かりませんが、僕がフォローした竹原氏の企画では、大げさでなく、関わった学生たちの今後の人生にいくばくか影響を与えるものがあったと思います。その点では成功。やってよかった。

ただ、こうして書いてみるとちょっとお膳立てしすぎの気もします。財政的に大学が援助したり要所を教員がフォローするのはよいけど、本当は学生が全部自主的にやったらよいなあと思う。たいへんだろうけど、年1回でいいから。あと、建築家(でなくても誰でもいいけど)に口実をつくって会いに行く、その作品を訪問し図面や写真を徹底的に読み込む、それを元に話をする。やろうと思えば一人でできることでもあります。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 16.03.05

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