究建築研究室 Q-Labo.
究建築研究室 Q-Archi. Labo.|京都の建築設計事務所

2008年08月: 究建築研究室 Q-Labo.|https://q-labo.info/2008/08/
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西洋建築史・12年前のネガフィルム

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ある方から、某大学の建築史の講義(非常勤)をやらないか、というお話をいただいた。先月末のこと。
主に「西洋よりの建築史」ということで、自分の専門との距離から若干の躊躇はあったものの、何となく避けてきた西洋建築史を自分なりに整理しなおすよい切っ掛けになると考え、是非やらせてもらうことにした。

そんで、来年後期開講にもかかわらず早々にシラバスを提出することになり、先週末は授業構成をいろいろ考えていた。

全14回で古代エジプトから近代建築までカバーするというのだから、無茶な話ではある。その上、週刊ペースの座学はその準備作業を想像するだけで恐ろしい。設計演習を担当する方がどれだけ楽かわからない(その上ペイもよい)。
でも、講義というのは、受ける側にとって勉強になるようにするのは難しいが、話す側にとっては確実に、しかも、とてつもなく勉強になるものなのだ。

学生時代は、西洋建築史の本とか先生に漂う、「これこそが建築の本流」みたいなヨーロッパ中華的匂いがイヤだった。で、アジアをやる。本流は嫌いだゼ。我ながら分かりやすい学生であった。

ところが、旅行して実物見るとやっぱすごいとわかる。僕らの考える建築というもののの根っこの一つ(それもかなり太いやつ)は、間違いなく西洋建築に繋がっていることに気付く。
けれど、「西洋嫌い」とか言っちゃった勢い、何か気恥ずかしくて、それと真面目に向き合うことを避けてきた(横目ではチラチラ気にしていた)という経緯がある。
でもそろそろいい年頃になってきたのだから、この機会に一つがっぷりお見合いしようと思っています。


で、上の写真は何かというと、96〜97年にかけて一年間旅行してた時のネガフィルム。
授業で使うスライドに、自分で撮った写真使ってやろうということで、押入から引っ張り出した。

その数、一年間で36枚撮りが30本。合計約1000枚。デジカメ時代では考えられない少なさである(これは、金が無くてフィルムをけちっていたことが根本的な理由である。また、長期間旅行を続けていたため、シャッターを押すに至る気持ちのハードルが妙に高くなっていことがある。つまり「この程度では写真を撮らないぞ」という、バカバカしい意地が発生していたのである)。

ちなみに手前のフィルムケースには、ネガが丸めて直に突っ込んである。これはカンボジアで現像した時にこうやって手渡されたものなんだが、あまりに無体である。

このネガフィルムも、この機会にデジタル化してしまおう(写真はPICTUREsに、適時アップしていきたいと思っています)。


Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 08.08.12 | (0)

廃墟:Varanasi, INDIA, 1999

廃墟:Varanasi, INDIA

ヴァーラーナシー旧市街中心部にあった廃墟。

レンガ造の建物が外壁を共有しながら密集しているため、
街区内部の建物が取り壊されると、かつての内壁が外壁として反転露出する。
期せずして到達した「生活の表出によるデザイン」の極致。
極めて具体的に個々の生活に根ざして生まれたはずの、
壁面に掘られた大小のニッチ、とりどりのペンキ彩色が、
不思議とアノニマスな表情を作りだしている。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 08.08.08 | (0)