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フローリングに荏油: 究建築研究室 Q-Labo.|https://q-labo.info/memo/000129.php
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フローリングに荏油

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ヒショです。少し前の話になりますが・・・先月29日、T邸(斜庭の町家)の床に、施主ご夫婦と所長が1日がかりでオイルを塗りました。

なぜフローリングに油をぬるのでしょう?
以前掲載した「古色」記事から引用すると、
「一つは木材表面を保護し、防水や防腐、防虫などの耐久性を与えるという機能上の理由であり、もう一つは異なる材種の色合いを統一したり、手垢などの汚れを目立たなくさせるという、美観上の配慮である。」

というわけで、オープンハウスでよく尋ねられたこの床材「メルバウ(販売元では「ストロングウッド」)」も、荏油を塗ることで表情が劇的に変わります。色が濃くなりツヤもでて、高級感3倍増なのです(左下写真:白っぽいところが無塗装のところ)。水や汚れもはじきます。できれば年に1回くらいのペースで油を拭き込むと、どんどんツヤが出てくるそうです。

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以下、所長による手順のまとめです。



○必要なもの

・荏油(えあぶら)
京都の老舗油屋・山中油店で購入。今回は60㎡の1回塗りで約1.2L使いました。

・雑巾:水拭き用
・ウエス:油拭き用と乾拭き用
・マスキングテープ


○手順
①フローリング表面のホコリや汚れを落とすために水拭きをする。
②油が付いたら嫌なところ(家具やサッシ等)にマスキングテープをはって養生する(例えば白い家具に油がついて乾くと、そこだけやや黄色っぽくなったりツヤが出たりする)。
③油を布に染みこませフローリングに拭き込んでいく。コツは、木に油が浸透しやすいように木目に沿って拭くことと、吸い込みムラが目立たないように板毎に拭いていくこと。
④余分な油分をとるために乾拭きをする。
⑤マスキングテープを剥がす(ずっと貼っておくとテープを通って油が浸透する)
⑥乾燥までの時間は、夏の場合、歩いて大丈夫になるまで半日、完全に乾くのは2〜3日くらいでしょうか。冬だとこの倍以上はかかると思います。
⑦油を拭いたウエスは、水に濡らしてから捨てましょう。


○油の種類について
木材の手入れに使う乾性油で一般的なのは、亜麻仁油・荏油・桐油の3つ。
このうち桐油は、匂いが強いので室内では使わないことが多い。
亜麻仁油と荏油は性質がよく似ているけれど、荏油は亜麻仁油に比べ、匂いがマイルド・仕上がりにツヤがある・乾きも若干速い、という理由から、今回は荏油を採用しました。コストは荏油の方が高いのですが。

だいぶ前に、コンフォルトに書いた油の解説を "ARTICLEs" にアップしたので、よければ参照ください。

>> 木材に塗る油について < ARTICLEs

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.09.21 | (0)

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