究建築研究室 Q-Labo.
究建築研究室 Q-Archi. Labo.|京都の建築設計事務所

タイ: 究建築研究室 Q-Labo.|http://q-labo.info/cgi/mt/mt-search.cgi?search=タイ&blog_id=1
Copyright © 柳沢究 Kiwamu YANAGISAWA, 2008-

ほら貝のRC住宅改修

HRG

住宅リノベーション, 名古屋市, 2016


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| WORKs 仕事 | 19.12.15

あじまの家

WT

住宅リノベーション, 名古屋市, 2015


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Tags: | WORKs 仕事 | 15.07.03

有松の塀

WT

塀(修景), 名古屋市, 2015


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Tags: | WORKs 仕事 | 15.07.02

久々のインド2:家庭訪問

調査期間のうち大半を、デリーとグルガオンの一般家庭の住宅を訪問して回る。
お家訪問はデリーでは初めて。また、今まで訪れたことのある家は(インドの大多数を占めるであろう)経済的には比較的貧しい家庭が多かったのだが、今回のターゲットはここ20年ほどの経済成長を受け急増してきた「中の上」クラスの家庭だ。現代インド住宅の成長点を観測する趣である。収入が年を追って増え、子供の教育に熱を注ぎ、新しいマンションや戸建を購入し、旧市街の狭く古い家屋から「脱出」する人たち。家の中には大型冷蔵庫や電子レンジ、薄型テレビやタブレットほか電化製品が溢れている。

周辺の地域も(写真からはそう見えないかもしれないが)清潔感のある落ち着いた雰囲気がただようところが多かった。ゆとりのある街路に生活が溢れていて、歩いていて気分がなごむ。

パパドを干しているところ。

こちらは露店の野菜パコラ売り。

街路の入口で売られていた素焼きの製品。水瓶や貯金箱、垢すり、護符など。都市部で今時こういったものを買う人がいるのだろうかと疑問に思っていたが、訪問した家庭にはこれらがひと通り揃っていた。納得。地域に根ざしている。

訪問した家庭の一つ。
左:階段室。ピンクの壁に緑のガラスのトップライトからの光が注ぐ。おぉバラガンみたい。右:キッチン。

リビングの青い壁に描かれたシルディ・サイババ(アフロヘアーの白い粉を出すサイババとは違う人)。

これはまた違う家のベッドルーム。子どもたちがドラえもんを鑑賞中。テレビは壁掛けでベッドルームにあるのが標準的スタイル。それにしても家の中はカラフルである。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 13.03.05 | (0)

久々のインド

名古屋と大学に移ってからのこの一年バタバタと過ごし、ずいぶん久々のブログに。
4月からはもう少し大学のことも書いて行きたいと思っています。
まずはリハビリのつもりで、このあいだの1月末に行ってきた久々のインドについて。

今回は企業との共同研究ということで、調査の中身についてはあまり書けないのだけど、グルガオン Gurgaon というデリーの衛星都市を中心に10日間ほど滞在してきた。2007年夏以来なので実に5年半ぶりの訪印。

深夜0時頃、デリーはインディラ・ガンディー空港に到着。2010年に開催されたコモンウェルス・ゲームにあわせて新しく整備され非常に快適。深夜のせいもあるかもしれないが、空港を出ると群をなしていたタクシーの客引きもほとんどいなく、落ち着いたもの。現地でこの後さんざんお世話になったYさんの迎えを受けグルガオンに。空港はデリーとグルガオンの中間にあるので車で30分ほど。

滞在したホテル。無線LANもあり快適。朝食ビュッフェには味噌汁があった。日本人ビジネスマンの利用が多いためらしい。ロビーではハングルもよく聞こえたが、中国人は見かけない。欧米系はかなり多い。グルガオンには外資系企業のインド本社が多く置かれており、近年急速に拡大・成長している都市だ。人口は多く商業施設やビルも数多いが、街全体が「作りかけ」という雰囲気で、熟成しきったヴァーラーナシーとは対照的。牛もほとんど見かけない。

翌朝、共同研究先のオフィスにて、キックオフ・ミーティング。
10層ほど上に浮かぶ大胆なトップライト。ガラスではなくポリカのような薄い板であった。エントランス・ドア。ディテールがなさすぎて潔い。インドでは総じて石やタイルの扱いは手馴れているが、ガラスや木・金属部の扱いにはアラが目立つ。無理にガラスや金属を多用したミニマルなディテールを目指さなくてよいのにと思う。

昼食。ファミレスのようなインド料理店。

グルガオンの建材マーケットを見学。インドでは割りとよく見る風景。業者だけでなく、一般家庭の人もこういったマーケットに、普通に電球やスイッチプレートを買いに来るという。ホームセンターも近年登場しているらしいが、まだ身近ではないよう。

デリーから延びるメトロ。乗りたかったが、共和国記念日(1/26)直前のためテロ予告が出ており、乗ってはいけないとのことで残念。全体として、インフラの整備度合いは5年前とは桁違いだが、停電はまだ頻繁に起こる。電力供給が追いついていない。

サブジ(野菜)売り。珍しく長ネギも売っていた。カリフラワーの惣菜カレー、ゴービー・マサラは最も好きな料理の一つ。


グルガオンの周縁部を車で走り、周囲に何もない荒野に巨大な集合住宅がどんどん建設されている様子を見て回る。すごい数量である。

その後Yさんの自宅へ訪問し、調査の作業少々。
夜はホテル近くのカニが美味しいと評判のレストランへ。最近は南インドの魚介系料理が流行っているとか。メンバーの中に辛い料理がダメなO君がいたので(何ということだ)、レス・スパイスでと頼んだためか、ガーリックがふんだんに使われた中華に近い味だった。しかし身も厚く濃厚美味。皆夢中でむさぼり初日終了。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 13.03.04 | (0)

スタジオ・ムンバイ@ギャラリー間・東京国立近代美術館

8月28日、半日使って久々に東京へ。
まず南洋堂によりいろいろ物色。そこで新宮岳氏から、東京国立近代美術館でスタジオ・ムンバイの施工やってますよ、と教えてもらう。ギャラリー間のスタジオ・ムンバイ展が主目的なのにもかかわらずそれを知らないというのはいかがなものか。学生の時と違って使える時間が短くなってるのだから、ちゃんと計画すべきなんだけど、旅行は行き当たりばったりで行くものという思い込みがまだ抜けていない。反省。

神保町から国立東京近代美術館まで、途中パレスサイド・ビルを通り抜けながら、歩く。東京はタバコを吸える場所が本当になくなった。

26日から始まったという「夏の家」の施工風景。
インドの職人が3人いる他に、若い日本人スタッフが数人手伝っている。どこかの大学がサポートしてるのかと思ったら、独自にスタジオ・ムンバイに直接コンタクトを取って手伝っているらしい。ギャラリー間の展覧会開催以降、日本からのスタッフ応募の問い合わせがものすごく増えたのだそうだ。

茶室か待合のような、木造建築の基本形による構成。木加工の精度が非常に高いことに驚くが、意外と普通、というかデザインの気負いが前面にでていない感じがいい。
一番目立つブルー屋根も防水シートを圧着したまま(?)というざっかけなさが効いている。柱も、おそらく防水・防腐コーティングをしたのを、そのまま掘っ立てている。
たたずまいとしては、公園にぱらぱらと置かれたベンチや滑り台、ブランコのよう。

実際にブランコもある。ブランコはインドでは宗教的な意味合いが強く、南インドの伝統的住宅ではしばしば家屋の中心に設けられていた。お祭りでもたいてい登場する。僕はまだ見たことがないけど、現代でも裕福な住宅のリビングに設ける事例はあるようだ。

窓に用いられているサランのような透過性のある織物の表情がとてもおもしろい。
材種はよくわからなかったが、見たところチークやマホガニーのよう。日本では舶来の高級木材であるが、向こうでは普通の材料なのであろうか。柱や框の細さ、スタジオ・ムンバイがよく使うルーバーといった線の細いディテールは、こんな固く密実な材料でできてるんだなあと。
夕方からはビールが飲めるらしいが、それまでいられないのが残念。
1時間くらい見学した後、ギャラリー間へ。


作品集も買ったけど、テキストに目を通す前に雑感を記録しておく。

彼らが拠点としているマハーラーシュトラ地方については、ムンバイに2度少し滞在したことがある程度でよく知らない。なので、あまり正確ではないかもしれないが、彼らの建築そのものからは、あまり「インド」を感じなかった。ヴァナキュラーという感じもしない。
一方で印象的なのは、自然や周辺環境、路上、アノニマスな「普通の」建築に対する視線のセンシティブさであり、そこから得られたものを咀嚼し建築形態に落としこむという姿勢。同様の視線は、インド産の「あまりモダンでない」素材やディテールにも向けられていることが展示からわかる。このような姿勢を「インド的」と解釈することもできるかもしれないが、僕らの感覚からすると、むしろ同時代な感覚として素直に共感できる類のものであると思う(ただし形態や構成は、日本の状況がやや滑稽に見えるほどに真摯に「モダン」である。硬派である。「モダニズムのローカライズ」という積年の課題への取り組みと、僕は見たい)。

スタジオ・ムンバイが注目されている最大の理由はやはり、モックアップを活用しつつ設計から施工を一貫して自分達のスタジオで集団的に取り組む創作のスタイルであろう。
ややおこがましいのを承知で言うと、森田一弥氏らと一緒に神楽岡工作公司でやろうとしていたことの、一つの完成形を見た思いがする。それは近代的なものづくりの体制に対する批判的アプローチでもあるが、同時にこの場合、インドという国において彼らの意図するセンシティブな現代建築をつくる、ほとんど唯一の方法としてそのような設計・施工の一貫体制をとる必要があったのでがないか。
想像されるように、インドの施工精度はお世辞にも高いものではない。それゆえ(と言っていいと思う)カーンやコルビュジェは精細なディテールに頼らない、遺跡のような建築を建てた。20世紀後半のドーシやレワル、コレアはもとより、最近「インドの現代建築」として紹介される若手(?)の作品も、(地方による差はあるが)その延長にあったと思う。スタジオ・ムンバイの仕事から僕が(勝手に)感じるのは、そのようなディテールの捨象による空間構成への集中だけがインドの現代建築ではない、という意志だ。
いずれにしても、設計から材料・施工までのすべてを手の内にいれ、集団としてまるで一人の「建築の万能人」のように振る舞う彼らの姿は、眩しい。

| MEMO 雑記・ブログ | 12.09.11 | (0)

函館山プロジェクト:製材所と敷地

これは5月の半ばの晴天のころ。

昨年から話をもらいつつも手を付けられていなかった新プロジェクトに、大学研究室との共同プロジェクトとして着手しました。
テーマは、国産の杉材を活用した都市型住宅のモデルを計画するという、非常に今日的な問題意識ながら非常にざっくりとしたもの。
背景の大本にあるのはもちろん、なかなか立ち行かない林業経営の問題、国産材需要の拡大といった問題なのだけど、実際にとりくむにあたっては、都市部においていかに大量の木(もく)を使う住宅がつくれるか、居住空間において木という素材はどういう意味をもつか、という問題として読み替えることになりそう。キーになるのはたぶん間伐材であり、時間である。

今回のプロジェクトの具体的な敷地は、琵琶湖の西(いわゆる湖西)にある滋賀県高島市。あまり知られてないが杉の産地(そういう土地が日本にはたぶんすごくたくさんある。地元の人しかしらない)。
というわけで、研究室の学生たちとともに高島市森林組合の製材所の見学に行く(僕は二回目)。

間伐材の山。このように伐り出されて並んでいるのはごく一部で、大半は山の中にうっちゃってあるという。間伐材は安値なので、運搬費の方が高くついてしまうからだ。かつては燃料としてはもちろん足場や柵・杭などいろいろな使い道があって、商品として成り立っていた間伐材も、今やほとんど使い道がない。間伐材の需要低下は林業衰退の大きな原因といわれる。。割り箸も間伐材利用の一つなので、一概に悪者にしてはいけないのである(ただ現在の割り箸の大半は中国からの輸入品だというのがなんとも・・)

製材所内にあった建物。ログハウスのような、小径間伐材を積層した外壁の表情が面白い。

製材所の隣は朽木陣屋跡という史跡になっていて、一角に茅葺きの見事な民家がある。庇はやや朽ちかけていてこれまた見事な草屋根になりつつある。

朽木というと映画「雨月物語」の朽木屋敷を思い出すのだが、ちょっと調べてみたらあの映画の主要な舞台として設定されているのは、現在の高島市の大溝という城下だそうな。そういえばあれは琵琶湖畔の物語であった。


今回のプロジェクトの敷地となる場所も見学。現況はまさに原っぱ。気持ちのよい場所。函館山という関西ではスキー場として有名な山の麓にあるので、通称「函館山プロジェクト」と呼ぶ。
このような土地に「都市を対象したコンセプト住宅」を建てるという。うーん・・・。

近所にあった牧場で近江牛ランチ。学生たちが牛を見て興奮していた。
だがやはりホルスタインよりはインドの瘤牛の方が・・・。花は桜木、牛はゼブである。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 12.06.06 | (2)

ファテープル・シークリー Fatehpur Sikri:India, 2007

ファテープル・シークリーは16世紀、アーグラの南西にある岩だらけの丘陵上にムガル帝国第3代皇帝アクバルによって築かれた新都市である。その整然とした幾何学的構成の魅力は今も色褪せない。

世界遺産でロケしまくった楽しい映画「落下の王国」では、物語のクライマックスのシーンでファテープル・シークリーのあちこちの場所が使われていて、一見の価値あり。

ちなみにムガル帝国のルーツは中央アジアで、系譜を遡るとチンギス・ハンに至るという。ムガルとは「モンゴル」の転訛である。そのモンゴルの末裔たるアクバルは、インドにおけるヒンドゥーとイスラームの文化融合に大きな役割を果たした人物として知られる。


ブランド・ダルワーザ Buland Darwaza
アクバルのグジャラート地方征服を記念して建設されたという楼門。ファテプル・シークリーの門、というわけではなくて、その一部にある金曜モスクの門。
正面に巨大なイーワーンを備え、上部と背面には無数のチャトリが乗っている。
前に急勾配の巨大な階段を備えているため、凄まじく劇的な効果が生まれている。
赤・黄の砂岩と白い大理石の三色構成が見事。


ブランド・ダルワーザの背面(内側から見た側)。
尖頭アーチの壁龕イーワーンは見ての通りイスラームの要素であり、4本足のチャトリは木造由来のインド土着の建築スタイルである。大小のチャトリが並んでいる様子は幻想的でもあり、またある種の可愛らしい雰囲気がある。

門の内側にはモスクらしく巨大な中庭が広がっている。
ここを訪れたのは一年で最もアツイ6月。太陽はぎらつき、地面の石畳は裸足で歩けないほど熱されていた。日向を歩いていると大げさでなく生命の危機を感じた。
ので、みんな回廊の日陰に避難している。


パンチ・マハル Panch Mahal
名前は五(パンチ)層の宮殿(マハル)の意。壁がまったくなく、柱と床だけで構成されているという、ありそうでいてあまり見かけない建築。居住ではなく納涼と遊興のための場だったと言われる。
ヒンドゥーともイスラームともつかない独特の構成・意匠について、飯塚キヨは仏教建築の五重塔の影響を指摘しているが、ありえそうな話である。
この開けっぴろげな感じととのびのびと積層した感覚は、日本建築の流店や飛雲閣を思い起こさせる。

ファテプル・シークリーにはいろいろな形の建築があるが、基本的に赤砂岩でできているので、非常に統一感がある。お兄さんたちの黄色や水色のシャツがまぶしい。この建築の色彩(ほとんど砂漠と一緒)の中に、色鮮やかな衣服が生まれてくるのはとても自然に思える。
うしろの片持ちの階段とドアがついた壁面は、ラジャスタンの住居で時々見かけるものだけれど、えらく洗練されている。

パンチ・マハルの最下層。
ルーツがなんにせよ、このような風通しのよい日陰の空間は、暑い季節にはとても心地良いのでした。


ディワーニー・カース Diwan-i-khas
王の執務の場であり、私的な謁見のための場であったとされる。

内部には対角線状にブリッジが渡っており、中央に巨大な柱頭をもつ柱で支えられた円形の台座がある。謁見を受ける者は1階の床にいて、この中央のプラットフォームに座るアクバルに謁見する。重臣たちは橋の反対側に位置していて、アクバルが意見を聴く必要に応じて(重臣たちが互いに相談できないよう)一人ずつ召し寄せられたという。
この極めて求心的な構成は、そのような謁見機能の反映であると同時に、ヒンドゥー教徒にとってはマンダラ以外のなにものでもない。柱はリンガにも通じる世界軸(アクシス・ムンディ)の具現である。この建築には、アクバルを中心とする世界の秩序化の意志が表明されているようである。


サリーム・チシュティー廟
モスクの中庭にある総白大理石造りの廟。
外壁面のほとんどが幾何学模様の石彫のスクリーンとなっている。その繊細さと全面がスクリーンとなったことで生まれる淡い空間性はタージ・マハル以上だと思う。


おまけ
ファテープル・シークリーの後ではいった小さな食堂の飯。この内容で一人30ルピーは、やや高い印象。観光地価格かな。

アグラに帰る途中で見かけた、転落しかけのバス。怖い・・

| MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 12.02.28

紫野の町家改修/TIMELINE Machiya

K

町家再生(住宅), 京都市, 2011


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Tags: | WORKs 仕事 | 11.12.06

屏山書院 병산서원:安東, 韓国, 2006

韓国は安東にある屏山書院(日本語の公式サイトがある!)

有名な河回村(ハフェマウル)のほど近くの高台に建っている、李朝時代の学校である。16世紀に建てられ、文禄・慶長の役で焼かれた後、1607年に再建されたものという。
(日本語での簡単な解説はこちらのページにわかりやすくまとまっている)

近世の地方豪族による子弟教育の場という点で、日本における閑谷学校に近い。儒教をベースとすることも共通する。いずれも教育の場にふさわしい質朴さと、周辺の地形・環境を活かした開放的な空気を兼ね備える、素晴らしい建築だ。


アプローチ


門をくぐると階段があり、
晩対楼という高床式の建物の下をくぐって中庭へ至る。


晩対楼の床下。
礎石は置かれているが、掘立を思わせる曲がった丸太の柱が立つ。
これを書くために久々に開いた「韓国の民家 (韓国の学術と文化20)」によれば、これはウムマルという形式の床であるようだ。

「マル」とは、高床となった板張りの部屋あるいは板張りそのものを指す語で、「高い」という意味もあるという。マルは夏を旨とした開放的な造りで、韓国の民家建築においては、土間式で閉鎖的な冬を旨としたオンドル房と対をなす建築形式である。

柱の間に架かる床梁が長クィトゥル、長クィトゥル間にかかる小梁が童クィトゥルと呼ばれる。床面は、この童クィトゥルの側面に堀った溝に庁板(床板)を挿し入れることで作られている。木材はいずれもマツであろうか。
この床を上(室内側)から見ると、日本でいうところの「朝鮮張り」の床となる。


四棟の建物が中庭を四合院のように囲んでおり、スカスカの晩対楼越しにかなたの川(洛東江)と山(屏山)をのぞむことができる。


晩対楼へ上がる、巨木を削り出した豪快な階段。


晩対楼。長大な板張りの高床(マル)の周囲に柱がめぐり屋根がかかっただけの単純な構成で、全周がフルオープン。建具も入っておらず開放感は比類ない。
欄干のデザインからして船をイメージさせる。
空中に浮かんだ船のような建築。


ウムマル、いわゆる「朝鮮張り」である。
床がそのまま構造体であるため、床板は非常に厚い。「朝鮮張り」の味わいは、この厚い床板の生む素材感というか触感によるところが大きいように思う。単なる張り方のデザインではないのだ。

床梁の上に床板をのっけるのでなく、わざわざ床梁の間に床板を差し込んでいるのは、たぶん釘無しで床をつくるためであろう(この時代に釘があったかどうかは知らない)。


天井(屋根裏)。
丸太の垂木が扇状にかかり、垂木間は漆喰のようなもので塗り込められている。
日本では見たことがないスタイル。
左官が使われているのは微妙に曲がった丸太のカーブにあわせて仕上げるためと推測する。大工仕事でこの曲線についていくのは大変である。
木の野地板が見えてる日本家屋の屋根裏と比べると、とても柔らかで明るい印象を与える。


晩対楼の中庭を挟んで、正面にたつ立教堂。メインの教室だったそうだ。
基壇の側面にあいている穴はオンドルの煙道か?(未確認)


立教堂内部。板張りの広間の両脇に、漆喰で塗り込められたオンドル房が並ぶ(寝殿造を思わせるなあ)。
開口部は床に座ったときに丁度視線が抜けるような高さに設けられている。窓台は低めに、座って肘を掛けるのにちょうどよい高さとなっている。
日本の伝統建築ではあまりこういう窓の開け方をしない(ような気がするんだけどどうだろう)。些細なことだけれども、そのような違いに彼我の住文化の差を読み解く手掛りがあるようで面白い。


立教堂より晩対楼を見る。

| MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 11.11.30

畑中さんの神楽岡スライド会

ひさしぶりの神楽岡スライド会、やります。

syugakuin.jpg

講師は、昨年度、文化庁新進海外芸術家派遣による
ドイツでの一年の研修を終えられた畑中久美子さん。
神楽岡でのスライド会は2004年以来の2回目となります。

ドイツの環境共生建築の話はもとより、
事務所での仕事のスタイルや、旅のおはなしなど
さまざまな興味深い話題が伺えると思います。

どうぞ奮って、またはお気軽にお越し下さい。

詳細は下記よりご確認ください。

>> 神楽岡工作公司:スライド会「ドイツで見たこと考えたこと」

| MEMO 雑記・ブログ | 11.04.02 | (0)

ASJイベント@みやこめっせ

2/26(土)、27(日)
みやこめっせで開催されたASJのイベントに初参加する。
新聞の折り込みチラシを見て、10年近くご無沙汰の方が訪ねてきてくれたりもした。

2日間通算で100組くらいの来場者の方々と、設計についての考え方やこれまでの仕事について、繰り返し繰り返し話をする。さすがに疲弊するが、この人はどんなことに興味を持っているのか、どう話したら伝わるのか、考え工夫しながらやっているとだんだん反応が変わってくるのは楽しい。
設計事務所の人間は、小売店等のように日常的に大勢のクライアント(候補)と話をする機会があるわけではないので、よい経験になりました。

この二日間、みやこめっせの3階では合同卒業設計展が開催されていた。99年僕らが卒業の時、一時中断していた合同卒業設計展を工繊大の鳥居斉を中心に再起動した。その時は京都の6大学しか参加してなかったのに、今回は19大学という巨大さ。
布野修司先生も1日目のパネリストとして来ていたようだが、タイミング合わずお会いできず。同じく2日目のパネリスト勝矢武之氏とは、26日の晩に軽く飲む。負けずにがんばろうっと。

| MEMO 雑記・ブログ | 11.03.10 | (0)

「自炊」と増築論研究会

2月半ばから、毎週のように何かと出来事がありつつ、例によってなかなかアップできないまま現在に至るのですが、最近はブログに書いてない事柄の記憶が薄くなりがちなので駆け足で振り返ります。

2/15(火)
午前中から妙に寒気がしていたがそれをこらえつつ、午前GD邸の打合せ、午後NS軒の鉄骨関連打合せと済ませたが、夕方帰ってきた頃にはグロッキー。久々に39度超の熱が出る。インフルエンザだとまずいなと、翌日医者にいったら扁桃炎とのこと。
熱が39度あると、やや目が回る。
40度を超えると(インドでの入院時に一度だけ経験あり)、目を閉じていても、いろんな映像がかつ消えかつ結びて久しくとゞまることなしという感じ。酒に酔いすぎた時にも似ている。

2/17(木)〜
だいぶ復活したので、本棚に収まりきらない本を何とか減らそうと、雑誌や論文資料の一部の電子書籍化(PDF化)、通称「自炊」を敢行する。

必要な裁断機や高性能スキャナーをいきなり買うのは躊躇われたので、「スキャレン」という「自炊」機器レンタルサービスを利用した。裁断機は懐かしの指を切り落としそうなやつ。スキャナ(Scansnap1500)の性能は、紙質によって紙詰まりや二重送りが頻繁に起こるが、まあ満足の性能。A4裏表を3秒くらいでスキャンしてくれるのは素晴らしい。

  

一週間のレンタル期間中、仕事の合間をみながらザクザク裁断&スキャンを繰り返し、約150冊をPDF化した。それでもダンボール三箱分しか減らなかったのは悔しい。
それなりの高解像度(カラー300dpi、白黒600dpi)でスキャンし、総データ量はおよそ12ギガ。

論文やレジュメ資料の保存には最適と思う。雑誌はまだPCのPDF表示性能が追い付かずやや重い感じがあるが、まずまずの使い勝手。
やや困ったのは、PDFビューワのアプリケーション。マックの場合だけかもしれないが、「Adobe Reader」はページのサムネイル表示が遅く、サクサク流し読みしづらい。マックデフォルトの「プレビュー」はだいぶ軽いが、縦書き(右綴じ)本の見開き表示ができない。そのために結局、いろいろ調べて「ComicViewer」という電子マンガ閲覧用アプリケーションを導入。いいソフトだけれど、アイコンデザインをもうちょっと、何とかしてほしい。

PDFデータは検索できないと価値が半減するので、タイトルと目次くらいは、OCRやウェブ上のデータを拾いつつテキストデータ化しておく必要がある。地味で面倒くさい作業だけど、少しずつやらないといけないな・・。

iPadとかギャラクシータブとか、pdfリーダーが欲しくなってきた。
裁断機はかさばるが、スキャンスナップは買ってもよいかもしれない。


2/19(土)
昨年来、西川英佑氏(元京大、現東工大研究員、薬師寺東塔の修復論で学位)と建築の増改築論に関する研究会を立ち上げようと意気投合し、その第一回が西川氏の尽力でついに開催。
文化財技師の北脇氏や絵画修復を専門とされる田口さん、歴史家の図師氏、RADの川勝氏にも加わってもらい、それぞれ持ち寄ったスライドを披露しながら、あれこれ議論。いろいろな刺激をたくさんもらった。第二回も早くやりたい。

会場は町家を改修し古童具を扱う北大路の葵リサイクルショップ西店。時間の中の建築を考える集まりに実にふさわしい。
スクリーンがなかったので、古い掛け軸にプロジェクターを写す。


| MEMO 雑記・ブログ | 11.03.09 | (0)

オール電化雑感 その1

「オール電化」という言葉が一般的になって久しいです。
当初より、個人的には「いかがなものか?」という思いがありつつも、ちゃんと整理できてなかったので、当たり前のことも含め、ちょっと考えてみました。

(言い訳のようですが、僕自身はまだ「オール電化」住宅に住んだことも、設計したこともまだありません。もし的外れのこと、欠落した視点などありましたら、ご指摘いただければ幸いです)


■オール電化のメリット

オール電化のメリットについては、主に電力供給会社からのたくさんの情報があるが(関西電力東京電力)、おおむね事故(火事や不完全燃焼など)に対する安全性と、経済性(深夜電力利用、お得な料金プラン)、環境性(CO2排出が少ない)の3点に集約されるようである。

ほんとに安全なのか、経済的なのか、という突っ込みもいろいろあるようだけど、個々の生活スタイルによって左右される部分も大きいと思われるので、ここでは触れないことにする。
とりあえずオール電化には上記のようなメリットがあると認めた上で、それでも気になる点について考えてみたい。
(地球環境うんぬんはとりあえず保留にさせていただきます)

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 11.02.25 | (0)

荒壁を廻る家『コンフォルト』掲載

コンフォルト掲載

先日発売された『コンフォルト』2011年2月号に、荒壁を廻る家が掲載されました。

「はじめての左官」という特集の中で、左官を使ったマンション・リノベーションの事例として6ページにわたって紹介されています。
英語の特集タイトル "Earth Plaster Can Be Used in Your House!(土壁は君の家でも使えるよ!)" が、とてもいいなぁ。

荒壁を廻る家

荒壁を廻る家のページ、こっそり模型写真も追加してます。

Tags: | NEWs 最新情報 | 11.01.05 | (0)

斜庭の町家「京都新聞」掲載

いよいよ12月。師走の始まりですね。
今日の京都新聞朝刊に、斜庭の町家が紹介されました。

「ありそうでなかった町家」ー 京の若手建築家に地域住宅計画賞

京都新聞掲載

先日取材があり、どのようにまとめられているのか楽しみに紙面をめくると、文化面にカラー写真付きで載っていました。
今回は、住む方のライフスタイルに合わせて斜めの庭が生まれましたが、町家の構成を応用して他にもいろいろな展開ができそうな気がしています♪

(ヒショ)

Tags: | NEWs 最新情報 | 10.12.01 | (0)

一年点検@斜庭


屋根のちょっとした水切りに鳥がとまって、糞が落ちてくるといった話も。うーん・・・

先月下旬、斜庭の町家の一年点検に。
実は竣工後も何度もお邪魔してはいるのだけど、毎回驚くほどに綺麗に住んでくれてることに感動する。
高橋工務店の内田さんと共に、外まわりから中、造作家具・設備系の点検まで。
何カ所か対応の必要のある点はあったが、左官壁のひびも建具の反りもまったく見られず、1年次としての状態は全体的にすごくよい。
庭の水はけが思ったより悪かったのが問題と言えば問題。対策を考える。


左:感動的にきれいに住んでいる。
右:日のよくあたる場所はフローリングが焼けてきた。油をそろそろ塗り直さないと

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 10.11.10 | (0)

イブニングレクチャー「生きている文化遺産と観光」

生きている文化遺産と観光

2010年10月9日(土)と16日(土)の二日間、京都河原町三条のメディアショップにて、イブニングレクチャー「生きている文化遺産と観光」が開催されます。
書籍『生きている文化遺産と観光』の著者のうち、京都周辺在住の4人がスライドを交えて話します。飲み物片手の気楽な会ですので、ご興味のある方はお気軽にどうぞ。

【趣旨】
 地域振興の手法として、 様々な文化遺産を活用した観光開発が注目されて久しい。特にこれは、社会的にも経済的にも停滞する地域において、住民生活の維持と文化遺産そのものを保護するための社会的・経済的基盤をも形成する「切り札」として期待されてきたものである。しかし、こうした取り組みが上手く機能している例となると、それほど多くはないようであるし、何とか軌道にのっている例においても、いろいろな問題を抱えているというのが、実際のところではなかろうか。
 ゲスト各者の事例報告から、こうした問題について考えてみたいと思う。

第1回 2010.10.9(土)18:00-20:00
「生きている棚田景観と保全をめぐる思惑—フィリピン・ルソン島」 平田隆行
「変化を許容する巡礼都市の新たな展開—インド・ヴァーラーナシー」 柳沢究
○聞き手:藤木庸介

第2回 2010.10.16(土)18:00-20:00
「戦略的観光開発と伝統的文化保全の葛藤—中国・麗江」藤木庸介
「観光開発による伝統産業の復活—タイ・クレット島」清水苗穂子
○聞き手:柳沢究

入場無料(1drink order)

場所:MEDIA SHOP(京都市中京区河原町三条大黒町44 VOXビル1F)

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| NEWs 最新情報 | 10.09.21

竹原義二展@ギャラリー間

今月14日から、東京のギャラリー間で「竹原義二展・素の建築」が開催されてる。

三年ほど前に、竹原さんの著作『無有』を構成役としてお手伝いした縁で、13日に行われた上記展覧会の内覧会+記念パーティーに声をかけていただき、久しぶりに東京へ。

ちなみに、今回の展覧会にあわせて初めての作品集『竹原義二の住宅建築』も刊行されている。こちらは写真が中心なので、『無有』(テキストがものすごく充実)と併読すると、竹原建築への理解がたいへん深まるはず。是非あわせての購入をお薦めします。

ギャラリー間・会場風景

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 10.04.18 | (0)

五条以南の高瀬川

五条楽園付近の高瀬川

保育園への送り迎えで、ちかごろ五条通より南の高瀬川沿いを、毎朝のように通る。

高瀬川沿いの雰囲気は五条通を境にして大きく変わることは、京都でも知らない人が多いかもしれない。
五条より北は、沿道に料亭・旅館が並び観光客も多い。対して五条より南は、いわゆる「五条楽園」で、京都の人でも歩いたことのある人は少ないと思う。まあ実際に歩いてみると、どうということはないし、むしろ散歩するには北以上に気持ちの良い道なんだけど(この高瀬川の南北断絶は、五条通に高瀬川沿いの横断歩道が無いことで決定的になっている)。

そういった料亭街か「楽園」かという違いを抜きにしても、川沿いの雰囲気は南北でかなり違う。物理的に違っている。それは、そこに生えている樹木の種類がまったく違うからだ。

五条以北では、二条通までつづく桜並木が見事だ。とりわけ松原通の前後はよい。今は冬なので、葉はなくたいへんすっきりとした感じ。

で、五条以南はというと、桜もところどころにあるにはあるのだけど、なんというか、ずっと緑が濃い。常緑樹が多いうえに、色々な樹種が混在して鬱蒼としているのだ。そこらへんが個人的には好み。ただ、このため見通しがやや悪くなっており、これは、外部の人が立ち入りにくい雰囲気となっている理由の一つだろう(ひょっとしたら意図的なものかもしれない)。

この五条以南の雑然・鬱蒼とした植生がなかなか面白いのだ、というのが今回の主旨。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 10.03.09 | (0)

斜庭の町家 Machiya w/Asymmetric Courtyard

斜庭の町家

住宅, 京都市, 2009

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Tags: | WORKs 仕事 | 10.01.03

下鴨の家 SHIMOGAMO-House

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住宅リノベーション, 京都市, 2006



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Tags: | WORKs 仕事 | 10.01.03

ビューティアム京都 Beautium Kyoto

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店舗内装設計, 京都市, 2005



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Tags: | WORKs 仕事 | 10.01.03

荒壁を廻る家 Around Mud-Walls

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住宅リノベーション, 京都市, 2004

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Tags: | WORKs 仕事 | 10.01.03

みどりのゆび TISTOU les Pouces Verts

tistou

京都市役所緑政課付属都市ビオトープ研究所建設計画, 複合施設:ゴミ処理施設/研究所/ギャラリー, 京都市, 1999(計画案)



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Tags: | WORKs 仕事 | 10.01.01

地蔵調査・大文字BBQ

路上のモザイクタイルに日常の裂け目を見る。モルタルの割れ目をタイルやビー玉、おはじきで埋めたもの。スカルパやフンデルトワッサーのようでもあり。地蔵調査中に見つけた。


2009/8/10〜16

8/11(火)
別件の中間検査。構造用合板の留め方などにやや難点あり、工務店に修正の指示。勝手な変更は大けがの元です。


8/12(水)〜18(火)
宮城大・竹内先生+宮城大有志(なんと二週間にわたり京都に滞在)、魚谷氏+京都建築専門学校有志、滋賀県大有志、柳沢(単独)によるハイブリッドチームで、京都地蔵調査を敢行。
お盆休みが完全に潰れ、大いに日焼けしたが、久々のフィールドワークで調査勘を思い出す。
調査対象エリアは、田の字地区(御池〜四条、河原町〜堀川に囲まれた範囲)を中心に、東は東大路、西は西大路、北は上京区境、南は京都駅、という広大なエリア。15年間京都にいて、いまだ入ったことのなかった路地の奥深くまで、隈無く徘徊し、地蔵や大日如来・蛇神・道祖伸などを探し出した。こんなことでもなきゃ、一生しない経験だねえ。
時おり出会う、暗く狭く切ない路地奥は、ヴァーラーナシーの路地を思い起こさせる。表通りと裏通り、街路と路地、地主と店子、日の当たる世界とそうでない世界……幾重もの分節と階層化の皺が路地の奥に圧縮されているような心持ちがする。都市としての歴史の深みってやつでしょうかね。

再開発地区の更地の中にポツンと残る地蔵堂

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.09.02 | (0)

呑みながら講義@Loki

2009/7/10(金)

午前中に打合せを一件すませ、午後はうちの事務所ビルの大家さんと、8月に企画しているスライド会の会場について交渉(空きビルのワンフロアをまるまる借りようと画策しているのです)。その後、T邸現場監理。
晩から図師宣忠氏と合流し、焼き鳥をつまみんだあと、Loki Academicaの「呑みながら講義」第一回に参加。

講師は京大博物館の塩瀬隆之氏。「からくり人形からロボットに伝承された技術」というお題から、からくりの機構的な話かと想像していたが、中身は主にコミュニケーション論であって、それが抜群に面白かった。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.07.16 | (0)

ダウラターバード Daulatabad:India, 1996

ダウラターバード Daulatabad:India, 1996

インド、デカン高原西部に位置する丘の上の廃都、ダウラターバード
エローラ観光の基点となるアウランガーバードの郊外、ローカルバスで数十分の距離にある。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.07.08 | (0)

JUNAIDA個展・京都調査

2009/7/3(金)

先日、友人サハラマコト氏のブログからリンクされていた、JUNAIDA(じゅないだ)さんというイラストレーターのサイトを見て、ヤラレタという衝撃を受けた。で、ちょうど今週からCOCON烏丸で個展があるというので、市役所で別件の確認申請訂正を済ませた後、初日を見に行ってきた。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.07.07 | (0)

鞆の浦3(太田家住宅と町の建築)

太田家住宅の蔵の裏側の腰に貼られていた板。たぶん古い舟板を貼り合わせたもので、とても魅力的な表情になっている。


2009/4/23〜25

だいぶ間があいたが、鞆の浦の第3回。今回は太田家住宅と町の建築。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.07.05 | (0)

ラオスの木製バス Bus:LaoBao, Laos, 1996

ラオスの木製バス Bus:LaoBao, Laos, 1996

ベトナム/ラオス国境の町ラオバオLaoBaoから、ラオス/タイ国境の町サバナケットSavannakhetへ向かう、ラオス横断バス。記憶がもはや曖昧だが、たしか昼頃に出発して深夜に到着し、運賃は5ドルくらいだったような。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.06.13 | (0)

SINCE 1964: 京都タワー論争をめぐって

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最近なんだか再評価の機運が高まりつつある「京都タワー」(私が京都に住みはじめた90年代半ばには、かなり白眼視されていたように思います。また、タワー内部の時が昭和で止まっていました)。建設当初に大きな論争を巻き起こした事はよく知られていますが、決着はタワーが完成してなしくずしに。完成から44年(執筆時で38年)経ちました。そろそろ決着をつけてもよいのでは。

京都げのむ』第2号(2002年)掲載の文章に若干の加筆・修正


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Tags: | ARTICLEs 小論 | 09.06.08

現場常駐

T邸現場の様子。壁や床の仕上げ前に配管・配線を仕込むために、設備関係の職人さんが同時大量投入されています。人口密度高いなあ。

2009/5/25〜5/31

5/26(火)〜29(金)
T邸現場にほぼ常駐状態。月曜日は現場打合せが夜10時まで続き、火曜から木曜も毎日現場。金曜は9時から18時までのフルタイム出動。
こうなってる一つの理由は、今週、設備関係の配線・配管工事が行われているから。
ほとんどの設備配線は床や壁の中におさめるため、壁や床が仕上がってしまうとおいそれと修正がきかない。さらに照明や電機機器の位置なども、修正の難しいシビアな配置が多いため、つきっきりで確認・チェックを行うためだ。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.06.02 | (0)

東福寺へ

2009/5/18〜5/24

5/24(日)
一家で東福寺にある戸田直美さんの家にお邪魔して、シェフ・タイチロウ氏の手による昼食(とビール)をご馳走になり、そのまま午後の談笑。戸田夫妻は小規模な町家を丁寧に(という言葉がとても似合う)住みこなしていて、とても気持ちがよい時間を過ごす。

| MEMO 雑記・ブログ | 09.05.28 | (0)

ホイアンの町家 House:HoiAn, Vietnam, 1996

ホイアンの町家 House:HoiAn, Vietnam, 1996

古い街並みが残る町として知られるベトナムのホイアン HoiAn(リンク先、住居の説明がやけに充実しています)。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.05.18 | (0)

コンペ・報告書など

鞆の浦はまだ書きたいことがあるんだけど、ちょっと休憩。
上の写真は、鞆の浦名物の保命酒(ほうめいしゅ)4銘柄。16種類の薬種を使ったリキュール(ベースは焼酎かな?)で、かなり甘いけれど、食前酒として氷と一緒にショットグラスで飲むとなかなか。燗にしてもいけそうだ。鞆の浦の食堂「田渕屋」で各種銘柄を試すことができる(ここはお勧め。土間と小上がりの関係がとても心地よい)。

2009/4/27〜5/3

4/27(月)〜29(水)
鞆の浦・広島から帰って、30日必着のコンペにむけた作業。
小規模なコンペで実は建築分野でもないのだけど、かねてから温めていたテーマに合致するので、作品をつくるいい機会と考えて乗っかることにしたのだ。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.05.16 | (0)

聴竹居:京都、2009

許可を得て室内も撮影させてもらったけど、残念ながら室内写真は掲載できないので外観のみ。スカルパを彷彿させる開口部。

2009/4/15(水)

大山崎の聴竹居へ。
建築の教科書には必ずでてくるし、雑誌や書籍にも繰り返し登場する近代住宅の名作。しかし現存するにもかかわらず、一般には非公開の状態が続いていた。
けれど昨年から、住宅の管理がこちらの組織に移ったことにより、事前申込みをすれば見学できることをつい最近知り、早速行ってきた。淡い新緑のきれいな、いいタイミングでした。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.05.02 | (0)

歴史の授業・LOKI

ヴァーラーナシーVaranasi、ガンガーを眺める牛(2007年)

2009/3/30〜4/5

3/31(火)
年度末大掃除大会。キッチンの油落としからタイル磨き、窓拭き、ベランダの植物の手入れまで。

4/2(木)
T邸現場確認後、日航プリンセスホテルにて、後期から西洋建築史を担当する某大学の非常勤講師オリエンテーション+懇親会に参加。いろいろな先生の話を聞くにつけ、芸術系大学で歴史系の座学を教えるのは大変そうだ。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.04.19 | (0)

カオダイ教寺院 CAODAI Temple:TayNinh, Vietnam, 1996

CAODAI Temple

ベトナムにあるカオダイ教の総本山の寺院。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.04.06 | (0)

アンコール・ワット Angkor Wat:Cambodia, 1996

Angkor

西日射すアンコール・ワットの回廊にて。
無限連鎖する開口枠と、緑の中へ飛び込むかのようなその突き当たり(下図)。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.03.17 | (0)

コーラム紋様のデザインシステム

kolam コーラム Kolam のパターン

Fundamental Study on Design System of Kolam Pattern

南インドの民俗紋様「コーラム」では、きわめてシンプルな要素とルールに基づいて、魅力的な一筆書きのパターンが無数に描かれる。それらのパターンは、一体どのようなシステムによって生み出されているのか?

『Forma』,22, pp.31–46(2007年)に掲載。


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Tags: | ARTICLEs 小論 | 09.02.17

景観条例・M監督のスケッチ

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年が明けてから年賀状しか見てないと思われてもなんなので、仕事の話も。
上の写真は、現在見積もり調整中の住宅の1/50模型、ほぼ最終版。

計画敷地は景観条例の対象地区で、屋根は3.5〜4.5寸勾配(約20度前後)に日本瓦が必須で、軒の出60cm、けらばは30cmを出すこと等、デザインコードはかなり厳しめ。道路斜線制限なども重ねると、建築の輪郭については、(セットバックさえしなければ)ほぼ自動的にいわゆる伝統的京町家の形になってくる。なるほど、よくできていると感心した

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.17 | (0)

年賀状・撰2009 BEST11

企画主旨」「BEST 3」に続き、BEST 11の発表である。

以下、順位不同で、タイプ別に紹介しよう。

●「近況報告」
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昨年一年の仕事の状況や身近な出来事を報告しつつ、今年の抱負を述べる形式。お会いする機会の少ない人でも、近況がよくわかってわりと好きなタイプ。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.12 | (0)

年賀状・撰2009 BEST3

2009年、柳沢家および究建築研究室あてに届いた年賀状BEST 3である。
企画主旨はこちら

まずは、年末の忙しい時間を割いて年賀状をつくり送っていただいた全ての方に感謝の意を表したい。「選考」「優秀」などと、上から目線で何様や、という向きもあろうが、あくまで年賀状に込められたメッセージを真摯に受けとめようとする姿勢に基づくもののと、ご容赦願いたい。

さて、選考作業は連れ合いと二人で昼飯休憩の際に行った。
対象は年賀状のデザイン(定型文として印刷されたテキストは内容も含む)として、手書きメッセージの内容や差出人との関係の疎密は、考慮しないこととしたが、何をもって「優秀」とするかは、明快な選考基準を特に定めないまま開始した。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.11 | (0)