下鴨の家 SHIMOGAMO-House
住宅リノベーション, 京都市, 2006
築40年ほどの和風木造住宅の改修計画。
二棟に分かれた既存建物のうち保存状態の良い和室部分は残し、場当たり的なリフォームによって雑然としていた部分を、気持ちの良い吹き抜けを中心とした明るい住空間につくりかえた。
外壁は焼き杉板に大津壁の仕上げによって既存建物の雰囲気を踏襲し、門から玄関へのアプローチには飛び石や版築の塀を設けた。玄関の土間には小さな大理石タイルを敷き詰め、奥へと続く廊下はカリンの床と漆喰磨き壁で仕上げた。
リビングやダイニングの大きな壁や天井は、質感が単調にならないように貝殻入りの漆喰仕上げでラフに仕上げ、キッチンの扉には漆職人・東端唯氏の蝋色(ろいろ)塗りの漆パネルを使用した。
京都の職人の技量を存分に発揮してもらいながらも、和風の形式にとらわれす、現代の生活空間における新しい素材の使い方を提案している。
名称:下鴨の家 SHIMOGAMO-House
所在地:京都市左京区
設計:森田一弥、柳沢究、上沼直美
外構設計(一部施工):神楽組(久住鴻輔、水谷馨、松崎大輔、佐野健介、樋貝憲治)
施工:木工事・設備工事/エクセル住宅建設、左官工事/久住左官、塗装工事/東端唯、家具/溝上吉郎
建物概要:木造2階建
建物用途:住宅
面積:建築面積 /227.0平米、延床面積/345.7平米(一階227.0、二階118.7:うち工事面積/一階170.6、二階71.8)
工期/ 2005年7月〜2006年3月
主な仕上:
外壁:焼杉板
内壁:大津磨き、貝殻入り漆喰仕上げ
床:カリン無垢フローリング
天井:レッドシダー羽目板
写真撮影:杉岡一郎