SHELL-TER
シェル構造による仮設=恒久住宅ユニット, 2002(計画案)
(協働:森田一弥・山田協太)
地震などの災害時に被災者が短期間で自力建設でき(仮設)、かつ災害復興が終わっても活用のできる(恒久)、空気膜型枠を用いたシェル構造による住宅モデルのアイディア提案。
実物大の仮設住宅実験棟 "SAKAN Shell Structure" の原案となったもの。
SHELL-TERの4原則
1. SHELL-TERは、水、セメント、麻ネットによってつくられる。
2. SHELL-TERは、空気膜を用いたシェル構造の建築物である。
3. SHELL-TERは、円形の屋根と1〜4の開口部、矩形底面からなる床面積9平米の空間である。
4. SHELL-TERの作り手は、居住者自身である
SHELL-TERは災害発生時の拠点となる。
SHELL-TERの方法論
0.
SHELL-TERは、災害発生後の緊急段階に焦点をあて、迅速かつ大量に、風雨を避け被災者の拠り所となる場を保障する
1. 緊急段階:
SHELL-TERは、自らの建設過程を通して、被災者の自助努力を促すと共に、近隣居住者間の単位ネットワークを形成し、被災者自身による災害復興(セルフ・エイド Self-Aid)の土壌を形成する。
2. 仮設段階:
SHELL-TERは、個々の被災者の住居を供給し続けると共に、地域の拠点となる施設(病院、市場、コミュニティ施設)を形成し、近隣居住者間の単位ネットワークを広域的に結びつけることによって、セルフ・エイドの環境を整備する。
3. 恒久化段階:
SHELL-TERは、セルフ・エイドの原則のもと被災者の拠点となり、個々の状況・目的に応じて各時点で選択可能な技術を取りいれることを通じて定着(恒久化)を達成する。
SHELL-TERは災害発生時に核となる技術を提供し、セルフ・エイドを軸として恒久状態へと到る復興過程の提案である。
名称:SHELL-TER
ドローイング:CG、CAD、インキング
制作:2001年
掲載誌:『新建築』2002年3月号、『JA』 2002年春号
13thタキロン国際建築コンペ「仮の恒久住宅」応募作品:2等入賞