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宇治へ

宇治川。鴨川より川幅も水量もあり、周囲に山が重なるように広がっていて、とても気持ちよい。

6/7(日)

天気がよいので、ふと思い立ち午後から宇治へ。

最近、『源氏物語』(与謝野晶子訳。と副読本として「あさきゆめみし」)を読んでいたので、まずは源氏物語ミュージアムへ行ってみる。外観のモチーフはなぜか唐破風のようであった。
いろいろな解釈でビジュアル化されてる展示は単純に楽しめるけど、わかりやすさ重視で奥行きが今ひとつ。まあ、源氏物語関係で見応えのある一次史料や美術品は、みんな国宝クラスであちこちの博物館蔵だろうから仕方がないか。
でも、もう少し展示や企画に工夫の余地がありそう。たとえば、源氏物語をテーマとする若手の研究者やアーチストは、たぶん今でもたくさんいるはずで(僕の知り合いでも、源氏物語にでてくる葦手文字の研究で博士号をとったフランスの方がいる)、そういう人たちの成果や作品を活かした企画などしてもよさそうだ。

その後、現存最古の神社建築といわれる宇治上神社へ。
ここの本殿はちょっと変わったつくりで、三つの小さな社が、一つの大きな建物=覆屋(おおいや)に内包されている。もともと独立して祀られていたであろう三つの社に、えいやと大屋根をかけて一つの本殿にしてしまった、というプロセスが想像されて面白い。(上:外観、下:内観)

拝殿にも同じように気になるポイントがあった。
拝殿の屋根は端部にぴょこりととんがった形があり、これが外観のアクセントになっている。これは直行する正面と側面の反りのある庇を連結するためにできた形で、縋破風(すがるはふ)という。

この連結部を滑らかに処理すると、よく見られる入母屋屋根になるのだが、ここでは縋破風がとんがってるため、そのあたり何だかとってつけたような感じがする。で、その下の建築本体の方を見ると、両端の柱間、つまり縋破風の下だけが左官壁の塗籠(ぬりごめ)となっている(その他の柱間には壁がない)。
以上から想像をたくましくすると、この拝殿の原型は、壁のない柱だけの四角い平面に切妻屋根が載ったパルテノン神殿のような形で、後から、両端に塗籠の部屋とその上にかかる庇を付け足すことで今の形になったんじゃないか。この縋破風は、そのような建築の進化というか発展のプロセスを名残としてとどめるもののように思われるのだ。

こういう建築の発達プロセスが表現された(と思しき)デザインは、もちろん直接的な増築によってつくられたのではなく、何段階か幾時代かの試行錯誤をへて成立したのだろうけど、建築が経てきた時間や記憶の蓄積が空間として表現されてるという点が、個人的にはとても興味深い。

どうして興味深いのかというのは、もう少し考えて書かないといけないので、宿題。

宇治川沿いの散歩に時間をかけすぎて、平等院にある鳳翔館にはいきそびれた。次回にもちこし。
それにしても宇治川沿いは気持ちの良い土地だった。前回の家探しでは見過ごしていた。土地代は高そうだけど、ここらへんに住めたらいいなあ。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.06.25 | (0)

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