究建築研究室 Q-Labo.
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| PUBLICATIONs 公表 | 18.06.06

久々のインド3:マーケット

昨晩深夜、基本設計中の枚方KG邸の概算見積り用図面を一式仕上げて送信。
設計はなかなか楽しい感じなのだが、見積もり調整はいつにも増してハードになりそうな予感。

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オールドデリー、ラール・キラーの前にある電設資材マーケット(Bhagirath Place)へ見学に行く。

電気製品を扱う卸問屋や小売店舗が一帯に数百軒(?)密集している。扱っているものは照明器具やスイッチ等の配線器具類が多く、パソコンなどはまた別の場所に大きなマーケットがあるという。すぐ側にオールドデリーの浅草と呼ばれるチャンドニー・チョウクが通っていて、雰囲気としてはアメ横や一昔前の秋葉原をぐっとマサラ風味にした感じ。

左:照明器具屋。新しい製品はLEDとなっている。ほとんどが中国製で、定番商品がないので売れてしまったら同じ製品は買えないとか。家を建てたり改装する人は自分で、あるいはデザイナーと一緒にこういった店に器具を買いに来るという。ここは比較的庶民的な店。
右:インドのインテリア感覚では、スイッチプレートは大きなこだわりポイントであるらしい。様々なメーカーのいろいろなブランドのスイッチが並んでいる。

スイッチやコンセントという装置は、建築における人間と電気エネルギーの接点である。電気は生活に不可欠で、でも目に見えなくて仕組みも実はよくわからない不思議な存在で、スイッチやコンセントはそんな不思議な電気を家の中に召喚したり使役してしまう道具だ。科学的には解明されているが使ってる本人は理解していないという意味では、呪術的といってもいい(そういってしまうと大半の電化製品はそうなるけど)。なので、それが装飾を帯びるのは実はごく自然なことだなー、などと考えてみた。
日本のプレート類は使いやすさと存在感を薄めることを追求しているけど、生活の中で電気の存在を意識させるためには、もうちょっと別のデザインの方向もあるんじゃないか。

ソーラーパネルも売っている。何だかすごく身近な材料に見えるぞ。

こちらは実にインドらしい真鍮製のシェード。今度買って帰りたい。

これもインドならでは。ガネーシャやココナツ、卍などの形をした電飾。

ホテル側のスーパーマーケット。野菜が豊富。
今回は休日がインドの共和国記念日と重なってしまい、デリーでは軍事パレードが行われるわテロ予告は出るわで厳戒体制。ほとんど観光らしいことはできなかったので、スパイスやマンゴーピクルス、お菓子等のお土産は大体ここで買った。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 13.03.06 | (0)

ジャイプル Jaipur:India, 1996

ハワ・マワル Hawa Mahal(風の宮殿)
風通しがよいから「風の宮殿」というストレートというかやや安直な命名ながら、砂岩でできた陰影に富む複雑なファサードがとても魅力的。白い縁取りは大理石というわけではなく、たしかペイントであった。
18世紀に建設されたハワ・マハルのファサードは、石のスクリーン(ジャリjali)で囲まれた無数の出窓によって特徴づけられている。出窓の一つ一つには、きちんとドーム状の屋根(庇)が掛けられていて、それぞれが独立した要素であることを主張している。この出窓の原型はおそらく、古くからあるヒンドゥー建築のチャトリであると思う(ジャイサルメールのチャトリファテプル・シークリーのチャトリ)。
チャトリはヒンドゥーの宮殿の屋上や中庭によく見られる東屋である。建築全体の構成の中では装飾的な意味合いも大きいが、機能的には風通しよく涼しい日陰の居場所をつくるための装置である。このハワ・マハルのファサードは、そのようなチャトリを集合・積層して、その隙間を壁で埋めることで生まれたものに思われる。

ところで出窓を覆うスクリーンの目が、上層階に行くほど細かくなっているのは何故だろうか。道から室内が見通せないように視線をコントロールする目的であれば、下層階ほど細かくするのが自然だけど・・

ジャンタル・マンタル Jantar Mantar
同じく18世紀に建設された天文観測施設群。ヴァーラーナシーのマン・シン宮殿の屋上にも小さなものがある。
現代彫刻のような独特の造形は、観測器具の即物的・機能的形態を、そのまま建築スケールに拡大したことで創りだされている。すごく複雑な「日時計」とまでは理解できるが、夜にどうやって星を観測していたのかはまったく想像ができない。

まさに「Stairway to Heaven」

インドで後にも先にも一回だけ出会ったコブラ使い。よりによって中央分離帯にて。

ジャイプルで泊まっていた15人部屋のドミトリー。ここは比較的きれいな方。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 12.08.16

初めての山鉾巡行

新町四条にて月鉾(?)

今年の祇園祭は、宵々々々山から宵山までずっと雨だったが、巡行の日の朝に梅雨が明けた。
ようやく晴れたので嬉しくなり、京都に住んで16年にして、初めての山鉾巡行見物に行ってきた。ものすごい人混みを覚悟していたが、宵山等の夜に比べるとずっと人出が少ない。こんな間近で見られるとは知らなんだ。

船鉾。家形・箱形の山鉾が主流の中で、船形を選んだセンスがすてきだ。
鉾への乗り込み口は、まさにタラップの風情。

屋台とビールが無いのが致命的ではあるが、山鉾を飾る刺繍や織物を明るい中で見られるのは、昼間のよさだ。
巡行の日以外は装飾を外している山鉾も多いらしい。巡行中は近くに寄れないので、本番向けのフルスペック山鉾をじっくり見られる時間は、実は短いよう。巡行を終えて自分のホーム町に帰ってきてから、解体されてしまうまでの数十分が狙い目だ(初めてのクセに偉そうですが)。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 10.07.22 | (0)

長流亭:加賀1

江沼神社・長流亭

10月31日・11月1日と、これの授賞式を口実に、久しぶりの遠出で加賀・金沢旅行。前日からチビが熱を出していたけれど、レンタカーも借り宿も予約してあったので、今さら中止できるかと出発する。チャイルドシートが気に入らないチビの泣き声を背中に延々と聞きながら北陸道を走り、まずは加賀・大聖寺へ。

この近辺、安藤忠雄の中学校とか象設計集団の美術館とか、目当てはいくつかあったけれど、時間が少ないので一点に絞ったのが、江沼神社の長流亭。今回の旅行で見た建築で一番よかった。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 09.11.06 | (0)

透かし彫刻:アフマダーバード Ahmadabad, India, 1996

透かし彫刻:アフマダーバード Ahmadabad, India, 1996

アフマダーバード郊外にある階段井戸に施された透かし彫りの装飾群。
ある程度定まった形式に従って、様々なパターンが(二つと同じものを繰り返さずに)展開されることで、全体と部分の美しさが同時に実現しており、そのあまりの密度に絶句する。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.08.28 | (0)

カオダイ教寺院 CAODAI Temple:TayNinh, Vietnam, 1996

CAODAI Temple

ベトナムにあるカオダイ教の総本山の寺院。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.04.06 | (0)

装飾と住居

fig8a.jpg 南アフリカの装飾豊かな住居("Couleurs du monde", Le Moniteur より)

ヴァナキュラー住居に見られる建築装飾の意味と機能について整理したもの。「装飾とは装飾主体となる人間と世界との関係の表現である」と考えると、建築は本質的に「装飾的」であるはずなのに、現代の建築の多くが装飾性を排除している(かのように見える)のは何故でしょう。それはおそらく「装飾主体」が誰なのか、という問題と関連しているのでしょう。

世界住居誌』、昭和堂(2005年)所収の文章を一部修正。書籍に掲載されていた図版は未掲としました。


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Tags: | ARTICLEs 小論 | 09.01.17

ワット・プラケオ Wat Phra keo:Bangkok, Thailand, 1996

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「派手にもほどがあるんじゃないですか」と申し上げたいが。「成金趣味」と一蹴するのも簡単だが。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , PICTUREs 旅と建築 | 09.01.14 | (0)