究建築研究室 Q-Labo.
究建築研究室 Q-Archi. Labo.|京都の建築設計事務所

牛: 究建築研究室 Q-Labo.|http://q-labo.info/cgi/mt/mt-search.cgi?search=牛&blog_id=1
Copyright © 柳沢究 Kiwamu YANAGISAWA, 2008-

インドの都市から考える5:動物のいる都市空間

日本建築家協会(JIA)東海支部の発行する機関紙『ARCHITECT』に、2012年12月より2013年10月まで隔月連載されたものです。


連載:インドの都市から考える(柳沢究)
第1回:巡還と囲繞の都市構造
第2回:ヒンドゥー教における住まいの象徴性
第3回:伝統的な中庭式住居での生活
第4回:水辺の建築空間 ガート
第5回:動物のいる都市空間
第6回:街と融け合う寺院

第5回:動物のいる都市空間

(『ARCHITECT』2013年8月号、日本建築家協会東海支部)


■インドの都市には動物がいる

 小鳥や人に連れられたペットを除けば、日本の都市部において動物を見かける機会はきわめて少なくなった。そんな日本からインドを訪れて驚くことの一つは、都市に動物があふれていることである。実にさまざまな動物たちが人間と生活・空間を共にしている。

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Tags: | ARTICLEs 小論 | 13.12.09

インドの都市から考える4:水辺の建築空間 ガート

日本建築家協会(JIA)東海支部の発行する機関紙『ARCHITECT』に、2012年12月より2013年10月まで隔月連載されたものです。


連載:インドの都市から考える(柳沢究)
第1回:巡還と囲繞の都市構造
第2回:ヒンドゥー教における住まいの象徴性
第3回:伝統的な中庭式住居での生活
第4回:水辺の建築空間 ガート
第5回:動物のいる都市空間
第6回:街と融け合う寺院

第4回:水辺の建築空間 ガート

(『ARCHITECT』2013年6月号、日本建築家協会東海支部)


■インドでは水辺が建築化される

 インドの各地を旅して気がつくのは、川や池といった水域の周辺がしばしば広範囲にわたって階段状に整備されていることだ。そのような水辺に設けられた階段状の施設を総称して「ガート(Ghat)」と呼ぶ(写真1)。水辺を階段状に整備するのは、水位の変動にかかわらず水面へのアプローチを可能とするためであろう。護岸や船着場、水辺の作業場としての機能もある。もとより水辺はインドに限らずとも生活にとって欠かせない場所であり、類似した水辺の階段状施設は世界各地に見ることができる。日本では、瀬戸内海地方を中心に「雁木」と呼ばれる同様の施設が見られる(特に鞆の浦の雁木はガートとよく似ている)。

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| ARTICLEs 小論 | 13.12.02

久々のインド

名古屋と大学に移ってからのこの一年バタバタと過ごし、ずいぶん久々のブログに。
4月からはもう少し大学のことも書いて行きたいと思っています。
まずはリハビリのつもりで、このあいだの1月末に行ってきた久々のインドについて。

今回は企業との共同研究ということで、調査の中身についてはあまり書けないのだけど、グルガオン Gurgaon というデリーの衛星都市を中心に10日間ほど滞在してきた。2007年夏以来なので実に5年半ぶりの訪印。

深夜0時頃、デリーはインディラ・ガンディー空港に到着。2010年に開催されたコモンウェルス・ゲームにあわせて新しく整備され非常に快適。深夜のせいもあるかもしれないが、空港を出ると群をなしていたタクシーの客引きもほとんどいなく、落ち着いたもの。現地でこの後さんざんお世話になったYさんの迎えを受けグルガオンに。空港はデリーとグルガオンの中間にあるので車で30分ほど。

滞在したホテル。無線LANもあり快適。朝食ビュッフェには味噌汁があった。日本人ビジネスマンの利用が多いためらしい。ロビーではハングルもよく聞こえたが、中国人は見かけない。欧米系はかなり多い。グルガオンには外資系企業のインド本社が多く置かれており、近年急速に拡大・成長している都市だ。人口は多く商業施設やビルも数多いが、街全体が「作りかけ」という雰囲気で、熟成しきったヴァーラーナシーとは対照的。牛もほとんど見かけない。

翌朝、共同研究先のオフィスにて、キックオフ・ミーティング。
10層ほど上に浮かぶ大胆なトップライト。ガラスではなくポリカのような薄い板であった。エントランス・ドア。ディテールがなさすぎて潔い。インドでは総じて石やタイルの扱いは手馴れているが、ガラスや木・金属部の扱いにはアラが目立つ。無理にガラスや金属を多用したミニマルなディテールを目指さなくてよいのにと思う。

昼食。ファミレスのようなインド料理店。

グルガオンの建材マーケットを見学。インドでは割りとよく見る風景。業者だけでなく、一般家庭の人もこういったマーケットに、普通に電球やスイッチプレートを買いに来るという。ホームセンターも近年登場しているらしいが、まだ身近ではないよう。

デリーから延びるメトロ。乗りたかったが、共和国記念日(1/26)直前のためテロ予告が出ており、乗ってはいけないとのことで残念。全体として、インフラの整備度合いは5年前とは桁違いだが、停電はまだ頻繁に起こる。電力供給が追いついていない。

サブジ(野菜)売り。珍しく長ネギも売っていた。カリフラワーの惣菜カレー、ゴービー・マサラは最も好きな料理の一つ。


グルガオンの周縁部を車で走り、周囲に何もない荒野に巨大な集合住宅がどんどん建設されている様子を見て回る。すごい数量である。

その後Yさんの自宅へ訪問し、調査の作業少々。
夜はホテル近くのカニが美味しいと評判のレストランへ。最近は南インドの魚介系料理が流行っているとか。メンバーの中に辛い料理がダメなO君がいたので(何ということだ)、レス・スパイスでと頼んだためか、ガーリックがふんだんに使われた中華に近い味だった。しかし身も厚く濃厚美味。皆夢中でむさぼり初日終了。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 13.03.04 | (0)

函館山プロジェクト:製材所と敷地

これは5月の半ばの晴天のころ。

昨年から話をもらいつつも手を付けられていなかった新プロジェクトに、大学研究室との共同プロジェクトとして着手しました。
テーマは、国産の杉材を活用した都市型住宅のモデルを計画するという、非常に今日的な問題意識ながら非常にざっくりとしたもの。
背景の大本にあるのはもちろん、なかなか立ち行かない林業経営の問題、国産材需要の拡大といった問題なのだけど、実際にとりくむにあたっては、都市部においていかに大量の木(もく)を使う住宅がつくれるか、居住空間において木という素材はどういう意味をもつか、という問題として読み替えることになりそう。キーになるのはたぶん間伐材であり、時間である。

今回のプロジェクトの具体的な敷地は、琵琶湖の西(いわゆる湖西)にある滋賀県高島市。あまり知られてないが杉の産地(そういう土地が日本にはたぶんすごくたくさんある。地元の人しかしらない)。
というわけで、研究室の学生たちとともに高島市森林組合の製材所の見学に行く(僕は二回目)。

間伐材の山。このように伐り出されて並んでいるのはごく一部で、大半は山の中にうっちゃってあるという。間伐材は安値なので、運搬費の方が高くついてしまうからだ。かつては燃料としてはもちろん足場や柵・杭などいろいろな使い道があって、商品として成り立っていた間伐材も、今やほとんど使い道がない。間伐材の需要低下は林業衰退の大きな原因といわれる。。割り箸も間伐材利用の一つなので、一概に悪者にしてはいけないのである(ただ現在の割り箸の大半は中国からの輸入品だというのがなんとも・・)

製材所内にあった建物。ログハウスのような、小径間伐材を積層した外壁の表情が面白い。

製材所の隣は朽木陣屋跡という史跡になっていて、一角に茅葺きの見事な民家がある。庇はやや朽ちかけていてこれまた見事な草屋根になりつつある。

朽木というと映画「雨月物語」の朽木屋敷を思い出すのだが、ちょっと調べてみたらあの映画の主要な舞台として設定されているのは、現在の高島市の大溝という城下だそうな。そういえばあれは琵琶湖畔の物語であった。


今回のプロジェクトの敷地となる場所も見学。現況はまさに原っぱ。気持ちのよい場所。函館山という関西ではスキー場として有名な山の麓にあるので、通称「函館山プロジェクト」と呼ぶ。
このような土地に「都市を対象したコンセプト住宅」を建てるという。うーん・・・。

近所にあった牧場で近江牛ランチ。学生たちが牛を見て興奮していた。
だがやはりホルスタインよりはインドの瘤牛の方が・・・。花は桜木、牛はゼブである。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 12.06.06 | (2)

6月のできごと・その3

6/24 左写真
伏見稲荷の方で土地探しからの相談があり、現地視察へ。
風致がかかってるので土地の面積が大きく土地代はかさみそうだが、その分緑が多く気持ちいい地域だ。斜面を造成をした土地が多いので、その点は注意が必要そう。
写真は近所にあった緑豊かな公園。殺伐とした公園が多いけれど、こんな木陰が気持ち良い公園がもっと増えるとよい。当然メンテナンスの手間はかかってるのだろうけど。

6/25 右・下写真
9時から18時まで造形大の授業をやった後、京阪に飛び乗り萱島へ。噂には聞いていた萱島駅のホームを貫通した大クスノキに初対面。
素晴らしい。既存の土地の文脈を物理的に(ここ重要)受け入れつつ新しい建設を重ねているという点で。いっそホームのみすぼらしい屋根は撤去してしまい、クスノキの木陰で電車を待つようにしたらいいのに。ただ、冷静に考えると、こうせざるをえない状況そのものを回避できなかったのかという気もするので、手放しではない。ホーム貫通部分で切られた枝の跡が痛々しくもあり。
下の写真はその根本にある神社。牛がいたので天神さん系だろうか。
茅島では、枚方のリフォーム案件のプラン提案打合せ。競合がいるのでまだ決まったわけではないけど、気持よく仕事ができそうなクライアントさんだった。中国の話題などで盛り上がる。
26日は引き続き9〜18時とCADの授業をして疲弊。


6/27
暑いとカレーが食べたくなる。
というわけでカフェモールで「鉄コン筋クリート」を読みながらカレーを食べた後、京都府建築士会と京大高田研の主催する「平成の京町家」設計ワークショップに参加。30分のスピードプランニング等なかなか為になる経験であった。実際の住宅で使えそうないいアイディアも浮かぶ。
下の写真は帰りがけにみた温室を利用した居酒屋。

京都GD邸の現場ではトップライトがあく。ええんでないの。


Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 11.06.30 | (0)

2011 謹賀新年

nenga.jpg
写真上段:左から、2歳頃の父きわむ・チビ1号・母
写真下段:左から、4ヵ月頃の父きわむ・チビ2号・母    
(究建築研究室のトレードマークの牛がさりげなくウサギになってます。)

新年あけましておめでとうございます。
昨年は竣工物件こそなかったものの、本が出たり賞を頂いたり慣れないレクチャーをしたり子供が増えたりと、なかなかに実りある一年だったのではないかと思っています。
お世話になった皆様、ありがとうございました。

初詣で訪れた横浜の伊勢山皇大神宮にて引いたおみくじは中吉でした。
「いまさら新しい目標を選んでも無理。かねて積み上げた力が発揮できるところを目指してがんばれ。」(おみくじ文面ママ)
との、やや微妙かつフランクな励ましに従って、精進致します。

本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 11.01.03 | (0)

そうだインドカレー、作ろう。

こんにちは、ヒショです。
肌寒い日曜日の昼下がり、スパイシーでホットなカレーが食べたくなりました。

カレーといえばインド、インドといえば究所長(?)。インド研究者でもある彼は、特別カレー好きではないけれど、3食カレーがひと月続いても平気な程度には好きだそうです(それ大好きと違うのん?)。そこで今回、久しぶりに本格カレーを作ってもらうことに。
下記レシピは、所長のお兄さん(カレー大好き)が入手した某人気カレー店のレシピをアレンジしたものです。インドの雰囲気をしっかり感じさせつつも日本人好みのマイルドな仕上がり。手間をかける甲斐のある味だと思います。ぜひお試しください!

■ 材料

・分量:7〜10人分くらい
・材料費:約2350円(うちスパイス代750円)

① 肉・野菜など
・鶏モモ肉(400g)   ・玉ねぎ(4〜5個)    ・トマト水煮(1缶)
・ナス(2本)      ・丹波しめじ(1パック) ・ブロッコリー(1株)
※野菜は適宜好みのものを
・ヨーグルト(大さじ2) ・コンソメ(35g)    ・塩(適量)  
・サラダ油(50mL)   ・バター(25g)


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Tags: | MEMO 雑記・ブログ , SELECTED 選り抜き | 10.12.13 | (2)

歴史の授業・LOKI

ヴァーラーナシーVaranasi、ガンガーを眺める牛(2007年)

2009/3/30〜4/5

3/31(火)
年度末大掃除大会。キッチンの油落としからタイル磨き、窓拭き、ベランダの植物の手入れまで。

4/2(木)
T邸現場確認後、日航プリンセスホテルにて、後期から西洋建築史を担当する某大学の非常勤講師オリエンテーション+懇親会に参加。いろいろな先生の話を聞くにつけ、芸術系大学で歴史系の座学を教えるのは大変そうだ。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.04.19 | (0)

仙台で民博研究会

研究会会場となった宮城学院女子大。レンガ貼校舎の端正なキャンパス。どなたが?と思って調べたら一粒社ヴォーリズ建築事務所でした。で、そのサイトを見ていて初めて、ヴォーリズがもともと伝道師として来日したこと、近江兄弟社との関係などを知りました。熱いですね。

2009/3/23〜3/29

3/28(土), 29(日)
朝9時の飛行機で仙台へ。みんぱくの共同研究会が仙台の宮城学院女子大にて開催されたため。
仙台は、2年前に同大学にて自分が発表したとき以来であるが、それにしても寒かった。真冬にいきなり突入したようで、服が全然足りなかった。とりあえず仙台駅について、立ち食いの寿司屋で昼食。

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| MEMO 雑記・ブログ | 09.04.10 | (0)

弁慶と牛若丸と桜とヒショと

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はじめまして。究建築研究室のヒショ(秘書)です。
うちの所長(本当は室長ですが呼びにくいので所長とします)のブログが、あまりに堅く難解なことがあるので、ちょっと賑やかしに乱入してみました。私は、気軽な感じでぼちぼちと、時々登場する予定ですので、皆さまよろしくお願いします。

事務所近くの桜も満開。とても気持ちの良い日が続いてます!
(写真は、木屋町五条の牛若ひろばにいる弁慶と牛若丸。下水工事のため、五条通りの中央分離帯からお引越し中。)

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.04.07 | (0)

年賀状・撰2009 BEST3

2009年、柳沢家および究建築研究室あてに届いた年賀状BEST 3である。
企画主旨はこちら

まずは、年末の忙しい時間を割いて年賀状をつくり送っていただいた全ての方に感謝の意を表したい。「選考」「優秀」などと、上から目線で何様や、という向きもあろうが、あくまで年賀状に込められたメッセージを真摯に受けとめようとする姿勢に基づくもののと、ご容赦願いたい。

さて、選考作業は連れ合いと二人で昼飯休憩の際に行った。
対象は年賀状のデザイン(定型文として印刷されたテキストは内容も含む)として、手書きメッセージの内容や差出人との関係の疎密は、考慮しないこととしたが、何をもって「優秀」とするかは、明快な選考基準を特に定めないまま開始した。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.11 | (0)

2009 謹賀新年・牛

2009nenga.jpg

遅ればせながら、謹賀新年。
今年の年賀状は、丑年ということで写真選定に力が入ったけれど、おもて面は子供に占拠され、牛は宛名側へ。
曼荼羅都市・マドゥライで出会った、角の彩色に飼い主の愛情を感じさせる牛。

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Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 09.01.07 | (0)