究建築研究室 Q-Labo.
究建築研究室 Q-Archi. Labo.|京都の建築設計事務所

2018年07月: 究建築研究室 Q-Labo.|http://q-labo.info/2018/07/
Copyright © 柳沢究 Kiwamu YANAGISAWA, 2008-2018

「京都大学吉田寮 再生提案を募集します。」

存続の危機に瀕している京大吉田寮の再生提案の募集が行われています。ぜひさまざまな方面からご応募を。

公式サイトからエントリーすると、現況図面や各種資料を入手できます。オープンな見学会も、これまでにない貴重な機会と思います。興味あるけど一人では怖くて行けなかった人も、ぜひこの機会に(笑)。審査員ならぬコメンテーターも豪華です。

運営は、OBや各所の支援を受けながらも、寮生自身が行っています。柳沢個人としては正直、在学中は吉田寮があまり好きではありませんでした。しかしもし吉田寮が(物理的にあるいは場所としても)なくなったら、それは京都大学にとどまらない大きな文化的損失であると考え、この取り組みを応援しています。不思議な吉田寮の存在を許す、懐の深い京都大学であってほしいと願います。


yoshidaryo100.jpg


以下、公式サイトより(一部修正)
-------------------------------------
「京都大学吉田寮 再生提案を募集します。」
http://yoshidaryo100nen.deci.jp/2018/

現存する最古の木造学生寮「吉田寮」の再生デザイン提案を募集し、学生寮の見学会、展示会・公開審査会を行います。

 吉田寮「現棟」は1913年(大正2年)に建てられた現存する日本最古の木造学生寮建築です。しかし築105年を迎えた現棟は老朽化による災害への弱さが懸念されており、京都大学は2017年12月、「すべての吉田寮生は2018年9月末までに現棟・新棟から退舎すること」を吉田寮生に言い渡しました。寮生が退去した後の吉田寮をどのように扱うのかについては明らかにされていません。私たちは現棟の建物そのものがなくなること、またその建物が持つ大正木造建築の魅力や歴史の蓄積が失われてしまうことを危惧して、建物の保存活用と歴史・文化の継承に市民に開いた形で取り組むために、このような企画をたちあげました。

☆募集部門
〇再生デザイン部門、〇継承プログラム部門

☆スケジュール
〇見学会:7月29日(土)・30日(日)、8月4日(土)・5日(日)
〇応募締め切り:9月13日(木) 17時必着
〇応募作品展示会:9月18日(火)~24日(月)
〇意見交換会(公開シンポジウム):9月23日(日)
各界の有識者を招き、参加者全員で表彰作品を選考するとともに、 吉田寮の未来を思い描く公開シンポジウムを開催します。

☆エントリー・案内・資料配布について
エントリーをしていただいた方に、見学会・展示会・意見交換会の案内や吉田寮の建築図面などの資料を送信いたします。エントリーは公式サイト上で行えます。

※詳細は公式サイトをご覧ください。

| MEMO 雑記・ブログ , MEMO 雑記・ブログ | 18.07.13

八木邸(藤井厚二, 1930)

6月のことですが、特別公開で伺った寝屋川香里園の八木邸(藤井厚二設計、1930年)。竹中大工道具館の藤井厚二展と連動して、松隈章さんの解説付きの見学会でした。

いやあ、休日をつぶしてでも行ってよかったです。聴竹居の完成直後の設計とあって、デザインや空間の雰囲気は聴竹居によく似ているが、少し緩い感じ。特に外観はだいぶ力が抜けている。しかし聴竹居の、自宅ならではの?隅々まで隙なく気の張り詰めた設計に比べると、むしろ住宅らしいおおらかさを感じさせよかったです。一般的な住宅との差分も分かりやすい。毎月数日公開されているようです。現代の住宅として見ても、たくさん見所がある。地味ながらおススメです。
http://www.yagiteiclub.com


内部の写真は載せられませんが、以下印象のメモ。

プランは東西にのびる廊下の両側に諸室を配した中廊下型(聴竹居はホール状の居間を囲むホール型)。洋室主体であり、構成だけ見れば戦前の中廊下型住宅よりは現代のLDK住宅に近い。ところが歩き回ってみると不思議とスルスル部屋が繋がり、中廊下の堅苦しい感じがない。
どうしてかと考えて気付くのは、納戸以外の部屋は全て(脱衣、浴室、女中室も)複数方向に接続していること。建具はほぼ全て引戸。近世武家住宅の続き間のようにツルっと隣の部屋に滑り込む感覚がある。各所にこれでもかと開いた欄間も通風のためだろうが、視覚的な広がりにも寄与している。一方で要所の雁木状の配置が見えがくれや陰影のある入隅出隅をつくり、全体としてとても複雑な体験。
開口部の位置や高さが、部屋毎どころか開口毎に異なることにも驚く。真壁のリズムの中で鴨居や窓台の水平線が融通にズレてくる。それがとても洒脱で真似してみたいのだけど、日本建築の意匠や空間性が身に染み込んでいないと、なかなか難しいのかなあとも思う。居間の床の間とソファベンチが複合した、ハイブリッド感溢れるデザインも。綺麗に使いこまれたキッチンの鍋や小物も見応えがあります。

図面出展:https://jp.toto.com/tsushin/2018_newyear/modernhouse.htm

| MEMO 雑記・ブログ | 18.07.06