居住空間学講座|京都大学柳沢研究室
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浦辺鎮太郎展の模型製作: 居住空間学講座|京都大学柳沢研究室|http://q-labo.info/kyoto/030_project/000483.php
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浦辺鎮太郎展の模型製作

2019年から2020年にかけて、京都大学のOBでもある浦辺鎮太郎の生誕110年を記念する展覧会、「建築家・浦辺鎮太郎の仕事:倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ」が開催されました。会場に展示された精緻な作品模型は、全国22大学の学生が制作し、柳沢研究室はそのうち「倉敷レイヨン高槻アパート(RC-60型)」を担当しました。

名称:「建築家・浦辺鎮太郎の仕事:倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ」展・倉敷レイヨン高槻アパート(RC-60型)模型制作
制作期間:2019年4月~7月
展示期間・場所(倉敷展):2019年10月26日〜12月22日、倉敷アイビースクエア
展示期間・場所(横浜展):2020年11月14日〜12月13日、横浜赤レンガ倉庫
制作:柳沢研究室/張晶盈・野間有朝・伊藤航平
企画:浦辺鎮太郎建築展実行委員会
協力:株式会社浦辺設計

倉敷レイヨン高槻アパート(RC-60型)の模型(縮尺1/100)(浦辺鎮太郎展公式サイトより)


会場風景:倉敷アイビースクエア・アイビー学館(浦辺鎮太郎展Facebookより)

倉敷レイヨン高槻アパート(RC‐60型)・独身寮について

設計:浦辺鎮太郎(倉敷レイヨン営繕部)、竣工:1964年
所在地:大阪府高槻市(現存せず)


(引用注:写真右が家族寮、写真左奥が独身寮)

倉敷レイヨン高槻工場社員のための家族寮(アパート)と独身寮である。
家族寮は典型的な階段室型の住戸配置である。外観デザインでは、壁柱によりもち上げられた開放的なピロティ、屋上の手摺を兼ねた深い庇、鉄筋コンクリート壁の重厚感を強調する六角形の開口部が目を引く。住戸平面は、南側に配されキッチンと一体化したリビングを、L字形に連なる個室群が囲い込む一種の求心的構成である。階高は2,515mmと低く抑えられ、大きな開口部による水平方向の視線の抜けが強調された内部空間は、伝統的な和風住宅を想起させる。いずれも、この時期に浦辺が定式化した「RC‐60型アパート」に共通する特徴である。
一方の独身寮は、図面が残っていないため詳細不明であるが、石井記念愛染園女子単身住宅(1961年)や倉敷国際ホテル(1963年)に似た、どっしりとした多層塔状の構成をとる。浦辺建築のシンボルであるコンクリートの壁庇は、最上階のみに配されている点が特徴的である。(柳沢究)

『建築家 浦辺鎮太郎の仕事: 倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ』学芸出版社より)

模型の制作について

倉敷レイヨン高槻アパートの模型はシナ合板のみで制作しました。まず、浦辺氏の手描き図面に基に、シナ合板の厚みを考慮し制作寸法を調整しました。次に、スタディ模型とSketchUpの3Dモデルを用いて、壁の構成やシナ合板の接合部、目地の表現などを検討しました。外壁部は最終的に、2mm厚の合板を0.3mm厚の合板で挟んだものとすることで、バランスの取れた断面となりました。そして、シンプルな建築表情を支える密度の高い細部設計が大切なポイントと考え、目地・樋・六角形の開口部・屋根等の表現に取り組みました。 全体のバランスとシナ合板の厚さを考慮した上で、目地の間隔を0.3mmに設定、六角形のタイル貼部分の質感を表現するために、違和感を感じさせない程度にシナ合板に薄いグレーの塗装を施しました。
今回の模型制作を通じ、建築学生である私も色々な反省をしました。ソフトウェア上のテクスチャマッピングでぞんざいに建築の表情を決めるのではなく、何度もスタディを重ねる必要があることなど、今まで見過ごしてきた細部設計の大切さが分かりました。(張晶盈)




(写真:小西泰平)

製作時の様子


浦辺鎮太郎展Facebookより)

担当者のメッセージ(展覧会にて模型とともに展示)

| Projects プロジェクト , Community まちづくり他 | 21.02.01

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