柳沢究研究室|京都大学

京都大学工学部建築学科/大学院工学研究科建築学専攻 居住空間学講座

研究の大きな柱とするのは、”Where is the Place?” と ”What Time is the Place?” という2つの問いです。前者は地域性や場所のアイデンティティ、後者は環境における歴史性や時間的表現の問題です。人間は空間的存在であるため場所の固有性を求めると同時に、人間は時間的存在であるため環境における時間の表現を必要とするからです。
人間居住の多様性、またその表れとしての居住空間の多様性に対する関心と敬意を根本に据えながら、主として地域性や生活文化との結びつき、時代・時間との関わりに注目し、具体的な都市/建築/住居の構成・形成プロセス・使われ方についての調査研究、および実験的プロジェクトの開発・実施・評価を行います。また、その成果を実践(設計提案・施工・ワークショップ)を通じて現代の社会に還元していくことをめざします。

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研究室の方針とテーマ

基本方針

①―フィールド
フィールド(現場)を通じた体験と実感を大切にすること。多様な体験が豊かな感性と幅広い視野の獲得につながり、生の実感が活動の原動力となる。机の上での提案よりは、現場で課題を体験的に発見・解決するプログラムを重視する。
②―体験/分析/表現のサイクル
体験だけに終わらず、それを客観化して検証し、社会と共有できる形で表現すること。そしてフィールドへもどること。
③―設計と研究を分けない
計画学的研究と設計実践を両輪とする。デザインが好きな学生はデザインが生み出される原理や背景への関心を深め、研究が好きな学生は最終的に一つの形として提案することを大事に。

アジアの伝統的居住空間の現代的変容に関する調査・研究

京都を含む現代の都市や集落において、伝統的居住空間がどのような現代的な変化を被り、どのような空間や理念が取捨選択されているのか。地域性と結びついた居住空間の変容のダイナミズムを空間的パターンとして抽出することを試みる。その土地ならではの居住空間の現代的あり方を考えていきたい。地域性は世界の多様性の源。

時間的連続性を保った居住空間の再編計画に関する調査・研究・提案

スクラップ&ビルドを脱し、時間的連続性を担保する都市・建築の更新方法を探る。時間や愛着の蓄積・継承はいかに可能か。リノベーションやそれを伴うまちづくりといった居住空間の再編フェーズにおいて、どのように過去を判読し、現在の課題を重層させ、未来を形づくるのか。時間を重ねることで生まれる複雑で魅力的な居住空間をめざして、理論と実践の両面から取り組みたい。

住まいの体験に根ざした居住空間計画手法の研究

建築に対する価値観形成の核となる住まいと生活の経験=「住経験」にアプローチする試み。居住空間を含む環境に対するリテラシーや評価は、各人の空間体験、とりわけどのような住居でどのように暮らしてきたかという個人的な経験に規定されると考えられる。これまでどんな家に住まってき、そしてどんな家に住むのか。

持続可能な居住環境デザインに資する理論・方法論の探求

現代の社会において住まいと何か、まちづくりとは何かを問いつつ、持続可能な居住環境デザインに資する居住空間と社会のあり方・仕組みの関係について考える。また、社会科学者や隣接分野研究者と協働して、サスティナビリティ論、コミュニティ論、ウェルビーイング(幸福)論などを検討しながら、シナリオプラニング等の社会選択・意思決定手法を居住環境デザインへと応用・展開する方法を探る。

個人—社会の関係性の継承・再編を支える居住空間のデザイン

従来の住宅計画において拠り所とされてきた個人・家族・コミュニティの像は大きく揺らいでいる。そのような中で個人-社会の関係の現代的諸相を把握し、さらにその継承・再編を支え得る居住空間デザインについて、子育て支援住環境、既存建築ストック再生、地蔵盆まちづくりなどを通じて研究する。

平時—非常時の関係からみた住まい・まちづくり支援技術の開発

各地で災害が相次ぎ、非常時であることが日常であるかのような昨今の日本では、平時と非常時の関係を横断的に捉えた住まい・まちづくり支援が不可欠である。東北や熊本の震災における住まいとまちの復興、京都都心部の密集市街地における防災マップづくりなどを通じて新たな支援技術を開発する。

17.04.15

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    615 8540
    京都市西京区京都大学桂C1棟
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    075-383-3277 yanagis[at]archi.kyoto-u.ac.jp
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