京都大学柳沢研究室|居住空間学講座
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住経験インタビューのすすめ

住経験インタビューのすすめ

人と住まい文庫 5「住経験インタビューのすすめ」11/1 刊行

柳沢究・水島あかね・池尻隆史 著
西山夘三記念すまい・まちづくり文庫
2019年11月1日発行
価格 1,100 円(税込)
ISBN: 978-4-909395-04-7
A5版 46ページ

「住経験」を「インタビュー」すること

「住経験」とは、ある人がこれまでにどのような家でどのように暮らしてきたかという、住まいとそこでの生活にまつわる経験のことです。本書では、親子間のインタビューにより引き出された様々な人の住経験を、家の間取り図や日々の暮らしのエピソードとともに紹介します。それらを通じて、読者に住経験という視点の面白さや意義・可能性を感じてもらいたいというのが、本書の大きな目的です。

内容紹介

筆者らはそれぞれの勤務校で、学生がその親の住経験をインタビューしレポートとしてまとめるという課題を2013年から実施してきました。本書のベースとなっているのは、その成果物である59編(2013〜2017年度)の住経験インタビュー・レポートです。

数十年前の日常生活の様子を語る/聞き、また図面や言葉で描くことは容易ではありません。しかしそれにもかかわらず、みな実に熱心に取り組んでくれます。それは住経験インタビューという行為に、それだけの面白さがあったからだと考えています。第1章では、住経験を語る/聞くことの魅力を紹介します。

59編のレポートに登場する351の住居、そこには実に様々な住まいと暮らしの姿が描かれていました。その多様性に触れた時の驚き、そこから学べることの多さに気づいた興奮が、本書の執筆動機となりました。第2章では、住経験インタビューにより見出された、「普通の中の多様」な住まいと生活を紹介しています。

住経験へのアプローチ方法として考案された〈子による親へのインタビュー〉という形式には、建築を学ぶ人や家づくりを考える人にとって、様々な効用があることがわかってきました。第3章はこの点について論じています。

住経験という視点は、自身と住まいの関係について深く考える契機となります。第4章ではそのような視点から、読者が住経験インタビューを行う際の手引きとなるようポイントをまとめました。

目次

はじめに
 なぜ「住経験」なのか
 なぜ「インタビュー」なのか
 本書の構成
第1章 住経験の面白さ
 インタビューで扱う住経験とその魅力
 魅力1:人がわかる・自分がわかる
 魅力2:住まいと生活の多様さを知る
 魅力3:住まいを通じて浮かび上がる人生
第2章 描かれた住まいと住み方の多様性
 「普通の中の多様」な住まいと住み方
 住居遍歴から見えること
 普通から少し外れた住まいの姿
 普通の住まいの様々な住み方
第3章 住経験インタビューからの学び
 前時代・他地域の住まい・住み方を知る
 空間と生活行為の関係の理解
 自身の住経験・住居観の相対化
第4章 住経験インタビュー実施の手引き
おわりに

「第4章 住経験インタビュー実施の手引き」の参考資料

>> 親への〈住経験インタビュー〉レポート作成要領(PDF 2019/11/1版)

このインタビューとレポート作成の要領は、多くの対象者の住経験を同じ視点で比較できるよう、聞くべき項目を詳細に設定していますが、個人的に住経験インタビューを行なう場合は、適宜簡略化しても差し支えありません。

| Others その他 | 19.11.01