年賀状・撰 2012
2月になってしまいましたが、今年の「年賀状・撰」の発表です。
年賀状という日本のコミュニケーション文化を尊重し、年賀状に込められた創意・工夫を讃え選出作を1年間掲示鑑賞する、というこの企画も4年目。
>> 主旨と弁明
>> 年賀状・撰 2011
>> (2010はアップロードしそびれ)
>> 年賀状・撰 2009(その1/その2)
今年も10作品を選出しました。
おおまかな基準は、①手間がかけられていて、②読んで触って眺めて楽しめて、③一年間飾っておきたくなるもの、といったところ。特に③の比重が年々大きくなっています。
それでは本年のBEST3から。
●BEST3
文具屋や100円ショップでも売ってる丸シールを、少しずつずらしながら重ねて貼ってあります。これは(どこにも書いてないですが)もちろん龍の鱗でしょう。
身近な材料を使って、シンプルながらも意外性のある抽象度の高い表現をつくりだす。建築家の面目躍如といった感じです。シールの数はハガキ一枚あたり約110枚。かけられている手間もすごい。
「ひょっとしてものすごく暇?」と心配させてしまうのが唯一の欠点でしょうか。
○差出人:牧野研造建築設計事務所さん
例年名作の多い家族肖像の今年のベスト。
自分のも含め親バカ年賀状は多いですが、ここまで突き抜けると素晴らしい。
とにかく、見ていると顔が自然にほころんでしまいます。
○差出人:建築家・H野氏(一応フリーではないので匿名に)
『凡夫』という人間観について。
定型テキストの年賀状を読んでこれほど感じ入ったのは初めてです。
「説教」のありがたさとはこういうものかと実感しました。
○差出人:法然院貫主・梶田真章さん
つづいてジャンル別の入賞作。
●干支
【左】
おせちの重箱を貫く昇り竜。浅見さんは昨年のBEST。さすがの画力でもう殿堂入り。
○差出人:浅見俊幸建築設計室さん
【右】
家具製作に使う工具を使った道具文字。差し金の大きさから想像すると4×8版くらいサイズがありそう。こういうのはすごく好きです。「木」のやつとか「工」の縦の棒とか、何に使うのかよくわからない道具も。
○差出人:マエダ木工さん
【下】
絵はたぶん小学生のお子さんが描いたもの。この力強さ・自信にあふれた描線をぜひ維持してほしいものです。
○差出人:紫野の町家住人・AさんBさん
●絵・写真
【左】
日暮さんは4年連続の入賞。写真だったら殿堂入りでしたが、今年は神楽岡のスライド会でも見せてもらったマリのコンパウンドを描いた緻密なドローイング。日暮さんは設計・写真・スポーツ・絵と、何でもできるんだなあ。
○差出人:写真家・日暮雄一さん
【右】
飾っておきたいハガキ、となるとやはりプロの写真家のものが入ってきます。今回は中村さんの湿度と奥行きの感じられる熱帯温室の写真。温室の中に住むというのは僕の夢の一つです。
○差出人:中村絵写真事務所さん
●本人
シュワーベさんどうしたんですか・・。腰のひねりが効いたポーズが入選の決め手。
○差出人:巨大ペンタキスをかぶったカスパー・シュワーベさん
●オリジナル
盛さんは2年連続。昨年に引き続き活字のみによる干支の表現が格好よい。活版印刷の立体感・触感も見事。殿堂入りですね。
○差出人:グラフィックデザイナー・盛あやこさん
●番外
うちのチビ1号がモデルになっているので・・・。頭から富士山が生えています。
○差出人:写真家・梅田彩華さん
今年も年賀状をいただきありがとうございました。
謹んで一年間、掲示・鑑賞させていただきます。
Tags: 年賀状 | MEMO 雑記・ブログ | 12.02.16 | (0)