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枚方での仕事

やや間が空いてしまいまして。
実施図面が山場にさしかかるとウェブの更新が滞ります。
オープンデスク等絶賛募集中ですので、興味のある方は連絡くださいませ。


さて4月末より、縁あって枚方での仕事が始まりました(その縁の話はまた後日)。
地域主義者としてはまず土地の歴史を押えねば、というわけでにわか勉強をする。

枚方市の中心部は京阪枚方市駅(たぶん)。
枚方市駅は、大阪〜京都をつなぐ旧京街道・枚方宿の中にある。
というか、京阪電車のルートそのものがおおむね京街道をなぞって通っているようだ。東海道の延長である京街道(大坂街道)の宿場町は、伏見宿・淀宿・枚方宿・守口宿の4宿で(あわせて「東海道五十七次」という呼び方があることも初めて知った)、京阪の主要駅ときれいに重なっている。

 

京街道は、秀吉の伏見築城にともなって行われた一連の淀川水系の改修工事(文禄堤建設)によって、大阪城と伏見城をつなぐルートとして整備された(京都では、この河川改修によって巨椋池が宇治川から切り離された)。
枚方宿は、大阪と奈良を隔てる生駒山系の一部である枚方丘陵が、淀川とちょうど接する点に位置する。陸路と河川の交通・流通の交点としての活用が期待されたのだろう。
もう少しさかのぼれば、枚方には本願寺の寺内町もあった(光善寺)。
寺内町は大阪の石山本願寺と近江・北陸の真宗本拠地とを結ぶ交通の要衝に設けられていたのであり、大阪城は石山本願寺跡だからして、枚方宿の設置はたぶんこの延長上にあるんだろう。

旧街道沿いには歴史的な町家が少なからず残っており、それらを活用したカフェや店舗なども増えつつあるようである。新しい建築にも歴史的町並みを意識したものが見られる(良し悪しはあるけど)。今のところまだ賑わいがあるとは言えないが、うまく育てば枚方市駅前よりもずっと面白い枚方の中心街になる可能性があると思う。

一方、京阪間髄一のベッドタウンとしての機能をになっているのが、市域の大半をしめる丘陵地を覆う、戦後に開発されたであろう住宅地である。
有名なのは(まだちゃんと見れてないけれど)香里団地である。その中に以楽苑という重森三玲の庭園があることは、今回初めて知った。晴・秋に一般公開があるという。
団地以外の部分ではかなりの密度で一戸建て住宅が建て込んでいるけれど、街を歩いていてなんとなく開放感を感じるのは、丘陵地形で坂道が多く、視界が開けているからだろう。

今回の敷地はそんな住宅地の一角にある。
なんとなく横浜の地形にも似ていて(僕の地元の横浜も坂だらけなのです)、ちょっと懐かしい感じがしたのでした。

Tags: | MEMO 雑記・ブログ | 11.05.29 | (0)

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