水面に沈む空想
水面に沈む空想:思考のためのトイレ空間
思考のための空間としてトイレに着目する。人はトイレで自我に芽生え、自分が世界の循環の中に存在することを強く実感する。トイレは根源的な自己との対峙の場であり、世界における自分の立場を俯瞰する場である。トイレは自分を見つめ直す場として相応しい。
本提案では、大学構内における思考のためのトイレを、外部から切り離された独立世界として構築する。ここで人は思考に没頭する。日々膨大な情報に晒される現代において、時として私たちは混乱に陥る。その時、思考のためのトイレは自己と対峙し、混乱から立ち直り、再び未来へと歩み出す再起の場となるだろう。(髙橋拓也)