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コーラム紋様のデザインシステム: 究建築研究室 Q-Labo.|https://q-labo.info/article/000047.php
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コーラム紋様のデザインシステム

kolam コーラム Kolam のパターン

Fundamental Study on Design System of Kolam Pattern

南インドの民俗紋様「コーラム」では、きわめてシンプルな要素とルールに基づいて、魅力的な一筆書きのパターンが無数に描かれる。それらのパターンは、一体どのようなシステムによって生み出されているのか?

『Forma』,22, pp.31–46(2007年)に掲載。


 南インドに古くから伝えられる伝統的な吉祥紋様に、タミル語で「コーラム Kolam」と呼ばれる一群のパターンがある。コーラムには様々なスタイルがみられるが、ここで注目するのは「カンビ・コーラム Kambi Kolam」と呼ばれるスタイルである(上記画像)。
 カンビ・コーラム(以下、単に「コーラム」とする)とは、「ひも」と「結び目」からなる一種の「組み紐紋様」であり、大小様々、無数のバリエーションが存在する。このコーラムのもう一つの特筆すべき特徴は、そのうちの一定数、とりわけ頻繁に描かれるものは「一筆書き(描き)」である、ということだ。一筆書き、すなわち「終わりのない円環」は、完全性や循環性、統一性を意味するモチーフである(これは吉祥・魔除けの機能に関連する)。

 このようなコーラムの抽象的かつ幾何学的な形姿、および全体性(一筆書き)と多様性(無数のバリエーション)の共存は、そこに何らかの形態生成システムが内包されていることを示唆するに十分である。その解明が、第一の関心である。

 以下では、形態論的視点からコーラムのパターン分析を試みる。具体的には、次の2つのテーマについて、コーラム紋様を「数値」と「線形図」に変換する方法を用いながら論じることになる。
(1)一定の与条件の下で描かれるパターンの総数はどれくらいか。またそのうち「一筆書き」可能なパターンはどれほど存在するのか?
(2)きわめて複雑にからまったように見える「一筆書き」パターンは、何らかの構造的特徴を有しているのか。もし有しているのであれば、それはどのようなものか?


>> 本文(PDF・英語・カラー図版)

>> FORMA掲載版(PDF・英語・モノクロ図版)

>> 日本語での簡単な解説(本稿の1,2に対応) [1], [2], [3], [4] [5], [6](神楽岡工作公司)

>> 長田昌次郎氏制作のコーラム紹介ムービー

Tags: | ARTICLEs 小論 | 09.02.17

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